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自分に合う場所はある

愛犬三郎を連れて
家族でドッグランに行った
帰り道の途中。

前方に見える、
山の上の風車に目が留まりました。

「あの山の風車を見ると
 胸がぎゅうっとなるんだ。」

私がそう言うと、夫は
「ちいは繊細だな。
 俺なんて、
 嫌なことがあっても
 すぐに忘れちゃうけどな。」
と言いました。

そうだよね。
その引きずらない性格のお陰で、
私は助けられることが
たくさんありました。

特に、夫の口癖の
考えたり悩んだりして「どうなる」
には、どれだけ気持ちを楽にさせてもらえたか。

夫婦ってバランスなんだな
と思ったら、笑えてきました。

私が風車を見ると
なぜ胸が締め付けられるのか。

それは、数年前、ある仕事をしていたとき
精神的に参ってしまったことがありました。

その仕事先に向かう方向が
その風車のある山の方向。
ただそれだけの理由なんです。


私はその仕事にお誘いをいただき、
私がやりたいことにも繋がると思って
その仕事に就いたのですが、
日に日に追い詰められていきました。

自分がやってみたいと思って始めたんだから
やり通さなきゃ。
描いていたことと違うけれど、
続けていくことで自分の糧になるかもしれないから
続けなきゃ。
分からないことがあっても
自分でどうにかしなきゃ。

そう考えるうちに
自ら八方塞がりの状態になり、
ある日の帰り道、
「車のまま、橋から落ちたら楽になるかも」
なんて思いが過ぎりました。

思いは過ぎったけれど
そんな勇気は私にはありませんでした。
でも「その仕事を辞める」という勇気は
持とうと思ったのです。

その時は
途中で辞めるということ、
自分にはできなかったということを
恥じる思いもありましたが、
「水が合わないこともある」
ということを知ることにもなりました。

あれから時が過ぎ、
今の仕事に行くようになってしばらくたった頃、
娘がふと私に、
「仕事で疲れて帰っては来るけど、
 それでも仕事が楽しいって思えるって良いね。
 ママに合っているんだね。」
と笑顔で伝えてくれました。

きっと娘は昔から、
私のことをいつも
察知しているのでしょう。
私が悩んでいるときも、
やりがいを感じられているときも、
元気があるときも、ないときも。
私は、娘の言葉が
とても嬉しく思いました。

必死になっているときは
視野が狭くなり
自分の考えに固執してしまうことがありますが、
仕事だけに限らず、
自分に合わない場所があってもいいし、
恥じることもない。
必ず自分に合う場所はあるのだと思います。



ヘッダーはあまのこさんのイラストからお借りしました。いつも素敵なイラストをありがとうございます。

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