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わざわざプリングルスを買いに行った話

久々の更新ですが、今回は仕事とはまったく関係ない話・・・。

最近、息子が虫の飼育にハマっている。ネット動画を見て勝手に情報収集しては、クワガタムシを産卵させて幼虫を菌糸瓶に入れたりして、我が家の居間の一角はキノコ工場のようだ。それでクワガタの写真が撮りたいというので、もうほとんど出番のないOLYMPUS E-620とZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5を「使っていいよ」と渡してみた。この標準ズームはそこそこ接写もできるので、クワガタ程度ならなんとかなるのだ。

でもそのうち今度は、翅を落として地面を歩いている新女王アリを拾ってきて、飼育装置を自作し始めた。アリを撮りたいと言うが、さすがに標準ズームでは倍率が足りない。マクロレンズは仕事に持っていくので、家に置いておく訳にもいかず「安いマクロレンズはないかな〜」と中古カメラのサイトを物色するが、そもそもフォーサーズのレンズは中古市場でも玉数が少ないので、なかなか良い出物はない。「それならニコンで行くか・・・。」

実は息子に使わせるのにちょうど良いボディがもう1台ある。Nikon D3500 である。義父の形見として我が家へ来たTAMRON 18-400mmF/3.5-6.3 Di II VC HLD用に、中古でポチったカメラだ。この組み合わせで広角から超望遠まで撮影できるので、ツアーに連れて行って動物の痕跡からたまたま出会ったカモシカまで、レンズ1本で撮影したこともある。最近はもっぱら運動会担当だ。

そこで改めてNikon Fマウントの中古マクロレンズを見てみると、DX Micro NIKKOR 40mmf/2.8Gなんかは結構安い。でも標準マクロでは昆虫には短いなぁ・・・。他に安いマクロレンズは? MFレンズは未対応だし・・・。それでたどり着いたのが、TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1[Model 272E]だ。等倍撮影可能でデジタル対応になった旧世代の「タムキュー」である。Fマウント用には絞りリングがある(モーター無し)と、絞りリングがない(モーター内蔵)がある。Dfに装着するなら前者だが、今回はボディ内AFモーターを持たないD3500用なので、ここは我慢して後者とした。

フラッシュ撮影はむずかしい

さて、問題がもうひとつ。小さく動きまわるアリを撮影するには、フラッシュが必須である。D3500には内蔵フラッシュがあるのだが、そのまま発光させても上手く写らない。なぜならレンズ鏡筒の先端がフラッシュの光を遮ってしまい、画面の下にレンズの影が入ってしまうからだ。そこで息子にはとりあえず「フラッシュ発光部の前にいい感じにティッシュを付ける」という裏技を教え込む。が、やっぱり結果が安定しないようだ。

私は長年「kenko影とり」というディフューザーを使用しているのだが、これも仕事カバンの中。それに大きいので視界が遮られ、フレーミングにかなり慣れが必要で、初心者向けではないのだよ。あと、これで黒光りするアリを撮ると、モロに影とりの形が映り込むんだよね〜。

最近は良いディフューザーは発売されてないのだろうか?そう思ってネットサーフィンするが、あんまり何でもかんでも買い与えたくもない。「自作するかなぁ・・・」で、思い出したのが、はい、ようやく登場「プリングルス」である。

プリングルス装着!

プリングルスといえば、筒状の紙容器に入ったポテトチップスだ。この容器、内側は光をよく反射する銀色で、蓋は拡散効果がありそうなやや白い透明。もうディフューザーのために作られているとしか考えられない。ネットでもいくつか使用例が紹介されている。早速、スーパーツルヤで購入。今回は内蔵フラッシュ用なので、とりあえずカッターで穴を開けてみる。

ペンタ部に合わせてこんな感じ?

それを内蔵フラッシュを開いた状態のD3500に載せてみるが、やっぱり不安定ですぐに転げ落ちてしまう。台所の引き出しを開けると太い輪ゴムを発見。これをプリングルスとレンズマウントに回すと、まぁまぁ固定できた。

内蔵フラッシュを開いた状態
プリングルス装着!
味は自然に溶け込む(?)グリーンのサワークリーム&オニオンを選択

見た目はかなりアホである。

実写!

さて、早速試写してみよう。
庭に出て物色すると、葉の上にツマグロオオヨコバイの幼虫を発見。

光もよく回り、体の下の影もまぁ柔らかめ
複眼の黒い模様が面白いので正面から撮ってみる
擬瞳孔も見えて変な顔

玄関先では卵嚢をお尻に付けたコモリグモの仲間を発見。

体の位置が高いため、影がちょっと目立つかな

薪棚ではハエトリグモを発見。
影とり使用だと、単眼に写り込むアイキャッチが影とりの形になってしまって、イマイチなんだよね。

アイキャッチも丸くてイイ感じ

シナノキの若木で、ヨツボシオオアリが葉の付け根に執着していた。どうやら花外蜜腺があるらしい。最短撮影距離まで近づいて撮ってみる。

花外蜜腺はアリを寄せ付けることで葉を食害する昆虫から身を守る植物のしくみ

こちらも体の下の影が薄くてイイ感じに写った。試しにプリングルスを外して撮ってみると・・・

画面の下2/3がレンズ鏡筒の先端の影に・・・

効果てきめんである。

で、実用性は?

使ってみた感想は「写りは結構いいね」。ただ、嵩張るんだよね。じゃあこれをカメラバックに入れてフィールドに持ち出すかというと「ないな〜」。
まぁ、家で飼育昆虫を撮影するだけならイイんじゃない?
実際、息子は、これで飼育装置のアリを撮って満足しているようだ。しばらくはこれでいっか・・・。

ちょっとした事件発生!

ところで、庭で試写していると、昆虫のなかなかに興味深い行動を観察してしまった。もちろんこのシステムで撮影したので、その写真とお話はまた次の機会に書くこととしよう・・・。


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