第１話：お天道様

クソが！
なんとか清水って野郎、俺の稼いだ10万持ち逃げしやがって。
次会った瞬間にミドルキック入れて吐かせたるわ。

どれだけの人を傷つけただろう、、
どれだけの人から傷つけられただろう、、

そのセカイは誰もが必死だった。

生きるために必死。
稼ぐために必死。
過去から逃げるために必死。

裏切り、金回るセカイ、、、

地べたから口笛を吹いて羽ばたいた男の人生。
ゴミ捨て場からカラスに連れられて這い上がった人生。

どんな人生を歩めば過去から赦されるのか。
そんな境遇は自分以外にも居た。

太陽の向日葵、、
命続くヒマワリ、、
川の音と電車が交差していく愛情。

、、、、、

んーーー
空を見上げるだなんてどれくらいぶりだ？
すっかり忘れてた。
いや、ただ見ないようにしてただけか。
お天道様は相変わらず嫌いだな、俺はドラキュラか。

そういや、此処の花火大会は去年も一昨年も中止だよな。

俺の人生の行いのせいじゃん？なんて。
此処の景色は俺が連れて来た、みたいに思うしかなかったよなあのとき。

んーーー
なんとか清水、1回でいいからブッ飛ばしたかったわ。

あ、なんとか＝岩、だった気がする。
まあそもそも偽名だろうけど。

でもあいつ、多分もうこの世にいないしザマアミロ。

んーーーそれにしても、、
よくもまあオメオメと俺はこうして生き残ったな。

生きて俺にどうしろっていうんだよお天道様よ。

、、、んーーー
花火みたいなキレイな人生、俺に歩めるのかね。

さ、そろそろ行きますか。