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第19話:それでも人は未来へ生きる

まーーそんな感じだ。

「うん、、、」

女性の相手をする仕事。
女性のカラダをつなぐ仕事。
女性のココロをつなぐ仕事。

そこには、お金が生まれる。
男が報酬を得た裏には、女性の涙を見たり、怒りを買ったり、、、
合法とは言えども、キレイとは言い難い裏の仕事の数々。

俺はたくさんの子を弄び泣かせてしまった。

「風俗嬢も同じ感覚かもしれない」

たしかに。
ここもまた同じだな。

「あたしのことも騙しているの?」

それは否定できない。

「それでも構わないけどね」

怒らんのかーーーい

「あたしにはプラスになっているから」

それは光栄ですねお姫様。

彼女は男に抱きつく。

俺はこうやって、女性にカラダの仕組みを教えることで、業界に手を染めてしまったことを認めてほしいんだと思う。
それが、俺が女に求めるもの、かもな。

「何者かが分かった」

許してほしいとは思わないけど、それは償いになると思うし、自分のことを好きになる手段だと考えているよ。

彼女は突然、泣き出した。

「あたしは中絶で、あたし自身の子どもを殺してしまったことを、、許せないよ」

男は彼女の髪を撫でる。

お互いに、お互いにしか分からない孤独の中を、こうやって進んでいくしかないからな。

彼女は男の胸の中で頷く。

彼女の涙は、あの日、朝4時に見た涙とは違う。
後悔・憎しみ・憎悪・悲しみ・行き場が無い感情の涙。

それでも人は、未来に向かって歩いていかなければいけない。

俺は、それを教えるために、彼女と出会ったのか?

どんな自惚れじゃい俺。

男は、ニコタマの花火が終わるころに、二子玉川駅の階段を下りながら、彼女の涙の種類について考えていた。

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