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1話

4月。

屋外プールのプールサイドには、太陽の光がキラキラと反射していた。

センパイの茶髪に憧れ、真似しようと、部活が終わったあと、バケツに入れた塩素に髪を漬けていた。

高校1年生の彼は、水泳部。

小さいころから水泳をやっていたが、中学時代は他の部活動(=卓球部)を選んだ。

そして、高校になって再び水泳を始めた。

それはなぜか?
それは仮入部のときに、超タイプ・1つ上・女のセンパイに・・・
「ねぇ、水泳やりなよ」と言われた不純な動機ひとつ。

彼の高校は、それまでは女子高。
彼は男女共学の1期生。
男どもはチヤホヤされて、なんとまあ素晴らしい環境・・・

・・・が!部活動は別世界!
そこには鬼顧問が存在していた。

先生!カゼで熱が出ました!

「泳げば治る」

先生!体育のバスケットボールの授業で、指、骨折しました!

「練習メニュー全部、ビート板キックでやれ」

ブハッ!マジでやってられっかよ!

1年生が終わるころ、彼は決意した。

部 活 や め る 。


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