エクスペクトパトローナム

ハリーポッターにある、ディメンターから護る魔法
"エクスペクトパトローナム"が、
一番幸せな記憶、温かいきもちが溢れることで
心を満たすこと。

その作法によって発動される魔法であり、

"呪文を唱えるんだ。何か一つ、一番幸せだった思い出を、渾身の力で思いつめたときに、初めてその呪文が効く"

ということ。

"それは、人によってはとても美味しいチョコレートのことでもいい"

なんて素晴らしいんだろう。
ルーピン先生!

いま見たら、泣けてきた。

この呪文が、物語にとって重要な位置付けの魔法であること。
ハリーにとって一番恐ろしいものがディメンターであること。
このあたり、大人になったからこそ胸に刺さるものがある。

最近はっきりと感じたことがある。

悪いものや憑き物を祓うには、
結局は、
溢れる温かいきもち、
つまり、愛だとか、強い光が
一番なんだろう。
実際のわたしたちの世界でも。

村上春樹の『ねじまきどりクロニクル』
に出てくる"仮縫い"も要はそう言うことなのかもしれない。
他人が持ってる温かいエネルギーでも、そういったものを取り除くことができる。
束の間の安らぎを得ることができる。
でも、それは外部から得たものに過ぎないので、一時的なのだ。
自分の中に強い光を見出さなければ、また元に戻ってしまう。

世の中にあるそういった商売(正に『ねじまきどりクロニクル』出てくるような商売)が、一部の人たちにとって依存性を生んでいるのは、ここに原因があるのだろう。
自分で光に気付かない限り、どうやったって応急処置にしかならないのだ。
だから"仮縫い"と呼んでいるのだろう。
そして、その点では、恋愛も仕事も同じなんだろう。

欠けてると思ってるものを、外から持ってきて埋めるのではない。
すでに満ちている。

まさにエクスペクトパトローナム。

この呪文が最大の守護魔法になってて、そして物語の重要な局面で鍵となり導いていくってさ、
改めて、なんて素敵なお話しなんだろう。

自分の中にある、
消えることのない温かな光に気づくこと。
その光こそが、
その人を護り導いてくれる。

"ハリー、愛じゃよ、愛。"

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