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花丸恵の食べたり呑んだり作ったり

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自分が書いた食べ物やお酒などに関するエッセイをまとめました。 食べた感想だけでなく、食べ物に関して疑問や思ったことなども書いています。 今後もどんどん追加していきます。 食いしん…
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#おせち

新年におせちと黒豆への思いを語る

 年の瀬は、台所仕事が忙しくなる。  最近は台所ではなく、キッチンというのが一般的だが、せめて年末年始くらいは、この調理場を台所と言いたい。  私はそんなことを思ってしまう。  近頃はおせちも買う時代となり、小晦日、大晦日はのんびり過ごす人も多くなってきた。それはそれで、私は悪くないことだと思っている。日常を、非日常のようにバタバタと慌ただしく過ごす現代人が、ようやく人間らしい休息がとれるのは、もしかしたら正月くらいかもしれないと思うからだ。  それに、今は目新しく、美味

お気軽おせち2022

 いつかは明けちゃうんじゃないか。  11月あたりから、そんなことを薄々感じてはいたが、本当に年が明けてしまった。  皆様、あけましておめでとうございます。  兎にも角にも正月である。食べて飲んで、ぐうたらが許される貴重な数日間だ。おせちを並べ、日本酒を用意し、   さぁ!今年最初の酒宴のはじまりである。  今年のおせちは、昨年とほぼ変わらず、既製品を織り交ぜた、実にシンプルなものとなった。お刺身や牛肉といった豪勢なものは全く登場しない。  まず、筑前煮。  筑前煮

おせちバンザイ【2021年のおせち】

お正月ですね。日本酒がうまい。うまい。 皆さん、新年、どんな物を召し上がっていますか? 私は、人が何を食べているか、物凄く気になる質なのだ。 だからクレコ905さんの記事で、おせちのお重を見て、 すごく嬉しくなってしまった。 よそのお宅のお手製おせちを見られるのは貴重だ。 この美味しそうなお重の引力に引き寄せられた私は、 今年のおせちの記録を残しておこう、と思い立った。 勢いがあるうちに、早速書いていこう! 手製のものは、 筑前煮、たたきごぼう、里芋煮の素揚げ、手綱

長門裕之のたたきごぼう

 長門裕之が亡くなって、来年の5月で10年になる。  晩年は、ドラマ相棒での閣下役での怪演が印象に強い。なかなかアクの強い役で、妙な後味の悪さを残していった記憶がある。  私にとって、長門裕之と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、たたきごぼうだ。  いくらアクが強い俳優だからといって、長門裕之がたたきごぼうの役をやったわけではない。最近では、香川照之がカマキリをやるくらいだから、そんな冗談を言っても、有り得ない話ではなさそうなのが困ってしまう。  もう20年近く前のことになる