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「最近餃子食べてないねぇ」 と、夫が言った。 何だかそう言われると食べさせないといけないような気がしてくる。 今すぐ食べさせなくちゃ! 私は焦る。夫の口が、親鳥の運んでくる餌を待つ、大きく開けたツバメの嘴のように思えてくるのだ。こんなとき私は猛然と立ち上がり、ある店に直行する。 埼玉に越してきて嬉しかったのは、最寄り駅近くにぎょうざの満州が出店していることだ。以前は、私も随分と餃子作りに血道をあげたが、餃子の満州が徒歩圏内にあるのに、今更、野菜をみじん切
昨日は冬至であった。 我が家では冬至になると、南瓜と小豆のいとこ煮、もしくは山梨県民が愛してやまない、「旨いもんだよ南瓜のほうとう」でお馴染みのほうとう鍋を作る。 今年は、いとこ煮を準備した。何故ならば、数日前から「冬至はいとこ煮だね!」と夫に決め打ちされていたからである。 何故か夫は、いとこ煮にはうるさい男だ。 味付けも塩と酒のみで味をつけるように厳命されており、砂糖を使うことは許されない。塩や酒のみで、甘くてほくほくしたいとこ煮を作らなければならないのだ。普段
私は、ガッカリしていた。 先日ネットで30分チキンなるレシピを見つけ、何だか美味しそうなので作ってみることにしたのだ。しかし、教えの通り調理してみた結果、まるで木のように固く、食感がゴリゴリの胸肉ステーキが出来上がってしまった。 一口食べて、歯に跳ね返ってくる肉の抵抗感に、何とも言えない恐れを感じた。どんな食べ物でも、一度人の口に入れば、徐々に嚙み砕かれ、己の血肉になるような感覚があるものだ。しかし、その日食べた胸肉は、ただただ抵抗しかしてこなかった。 私は胸肉