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花丸恵の食べたり呑んだり作ったり

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自分が書いた食べ物やお酒などに関するエッセイをまとめました。 食べた感想だけでなく、食べ物に関して疑問や思ったことなども書いています。 今後もどんどん追加していきます。 食いしん…
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2021年4月の記事一覧

噂のおにぎりダイエット

 クレーム対応というのは非常に難しい。  相手の要望を的確に受け止めたうえで、よりよいサービスを提供しなければならない。  私も、結婚して20年以上経過しているが、未だに夫から、厳しいクレームを頂戴することがある。私は、それを真摯に受け止めているつもりなのだが、どうやらそうは見えないらしい。大変残念である。  夫は職場におにぎりを持っていく。最近ではたまにホットサンドになることもあるのだが、それでも、未だおにぎり率の方が高い。 そこで夫からクレームが入る。 「いっつもい

今川焼きで御座候

明け方、こんな夢を見た。 駅の地下街のような場所に、御座候(ござそうろう) と書かれた看板の店があった。 私はその店の前で、外国人と共に列に並びながら、 今川焼きを食べている。 何故外国人であったか、わからないが、 日本の菓子に興味津々といった様子で、その外国人たちも 嬉しそうに今川焼きを頬張りながら列に並んでいた。 所詮夢の話なので、脈絡はないだろうが、 予想するに、一つ買って食べてみて美味しかったから、 再度購入しようと列に並んでいる状況なのだろう。 しかも不思議なこ

餅のなる樹であんぱんを

ソメイヨシノが散り、葉桜になると、 今度は自分の番だとばかりに、八重桜が咲き始める。 ソメイヨシノの、風になびいて、 はらはら揺れるような、儚げな雰囲気と違い、 まさにその名の如く、八重桜は花びらがひしめくように 折り重なって咲いている。 その花を一つ折って、頬の上をくるくると滑らせたら 頬紅をさしたように、顔が明るくなるのではないかと思えるほどに、 八重桜は花びらにほんわりとした色を含ませている。 実のような花を支える、葉の緑が目に鮮やかだ。 以前、栃木県の三毳山(みかも

アサリ可愛や、可愛やアサリ

私は、年齢の割には古い歌を知っている方だと思う。 そんな古い歌の中でも、思わず口ずさんでしまうのが、 戦後すぐの日本で大流行した歌、 サトウハチロー作詞、万城目正作曲の「リンゴの唄」である。 歌いやすく、耳馴染みよく、鼻歌にはピッタリの歌だ。 この歌を口ずさんでいる時、私は大概、アサリの砂抜きをしている。 春になると、一斉にアサリが出回りはじめる。 アサリ好きの人には、たまらない季節だ。 私は貝類はあまり好んで食べないのだが、夫が好きなので、 安い時にまとめて買って砂抜

【お】問題について考える

丁寧に【お】をつける時がある。 例えば職場で 「佐藤さん、2番にお電話です」 などは普通に使う。 こういう時にサラリと使う【お】は丁寧さがあり上品なものだ。 しかし、こうなるとどうであろうか。 「この、お醤油味のおソースは、お豆腐はもちろんのこと、 焼いたおナスや、お大根のサラダにも、とても良く合います。 今夜のおビールや、お酒のお供にいかがでしょうか」 途端に鬱陶しい。上品ぶってんなぁーと、思わず悪い顔をしてしまう。 以前、料理番組を見ていて、ありとあらゆる食材の頭に