餅のなる樹であんぱんを
ソメイヨシノが散り、葉桜になると、
今度は自分の番だとばかりに、八重桜が咲き始める。
ソメイヨシノの、風になびいて、
はらはら揺れるような、儚げな雰囲気と違い、
まさにその名の如く、八重桜は花びらがひしめくように
折り重なって咲いている。
その花を一つ折って、頬の上をくるくると滑らせたら
頬紅をさしたように、顔が明るくなるのではないかと思えるほどに、
八重桜は花びらにほんわりとした色を含ませている。
実のような花を支える、葉の緑が目に鮮やかだ。
以前、栃木県の三毳山(みかも