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今、私にかつてないほどのモテ期が到来している。 そうなる少し前、こんな夢を見た。 蠅サイズの小さな天使がブンブン飛んでいる。天使が私の唇に止まりキスをすると、細胞が分裂するように天使が増殖し始めた。顔が無数の天使に埋め尽くされ、息苦しさに私は目が覚めた。 夢占いのサイトによると、天使にキスされる夢は、恋愛運向上や恋の出会いを示しているらしい。 だが実際はモテすぎたせいで、私は職場で睨まれ、彼氏に嫉妬され散々だった。そのときの苦労をうっかり口にしたら、自慢だと思
「今日の合コン、何だったんだろうね」 私達三人はそう言いながら、マクドナルドでコーヒーを啜っていた。 三人揃って失恋したばかりの私達は、元彼を忘れさせてくれるような、面白い人との出会いを求めていた。そこで、顔の広い岡田君に合コンをセッティングしてもらったのだ。しかし、どうやら「面白い」の方向性が違っていたようだ。 私達の自己紹介が終わったとき、林という男が突然、 「君達三人がここに揃うなんて奇跡だ!」 と言い、興奮した様子でこう続けた。 「君達の名字は、何と日
朝だ。 その日、俺の寝覚めは最悪だった。目を開けた途端、昨日の出来事が頭の中でじわじわとリプレイされていく。学校を休みたい。でも、俺がフラれて落ち込んでいると、一宮咲に思われるのは嫌だった。 「早く食べないと遅刻するわよ!」 ダイニングキッチンで母親が朝食の支度をしている。 「ごめん、飯はいいわ」 俺が言うと、 「じゃあ、ラップに包んであげるから学校で食べなさい」 そう言って、朝食のサンドイッチを包んでくれた。そのとき、母親の視線が遠くを見ていたのが気になったが
俺が《宝くじ魔法学校》というアカウントでTwitterを始めたのは十年前のことだ。最初のツイートは、 宝くじを買う前日は塩で頭を洗い、心身を清めましょう。 もちろん、何の根拠もない出鱈目だ。 だが、そんなふざけたツイートが徐々にウケ始めた。俺は校長、フォロワーは生徒、という謎のお約束ができあがり、コメントやリツイートをされるようになった。 しかし、出鱈目でもネタは尽きてくる。ある日、俺はヤケになってこんなツイートをした。 売り場の前で三回回って、隣の人の尻