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拾った杏っこで豊かな時間〜2024.8

いつも愛犬を散歩の途中で立ち寄る空き地は大事なおやつポイント。
ほぼ毎日そこに立ち寄るのですが、ある日、オレンジ色の丸い実がぼとぼと地面を埋め尽くすように落ちていることに気づきました。
見上げるとそこには大きなあんずの木。

あんずの木。とても大きい!

空高く広がった枝にはオレンジ色の実がたくさん!
春先に白い花を咲かせていたことは気づいていたのですが、あんずの木だったということに初めて気がつきました。
(何年もここに立ち寄っているのにはじめて気づいた)

気になりつつも、自分の土地で実ったものではないし・・・とこの日は一旦引き返したのですが。
やはり気づいていた人はいたようで、目の前のマンションに住む友達がSNSで落ちていたあんずをたくさん拾ったよ!と投稿しているのを発見。
落ちているばかりで他に拾う人もいないようなので、じゃあわたしも!と
勇んで拾いに行きました。


拾ったあんず。いい香り♪

ちょうど拾いに行った朝は強風でより一層実が落ちていました。
予報はお昼近くから雨。
雨が降って実が傷む前に・・・とたくさん拾いました。
(少しだけ・・・と思っていたけどいっぱい拾っちゃった)

まだ早そうな実も混じっていたので数日置いて追熟。
拾ったあんずからいい香りが漂ってきます。
そこからのんびりあんず仕事。

何を作ろうかな。
ここ数年、お酒は飲まないようになったのであんず酒はパスして
やはり定番、あんずのシロップ漬け。そして作ってみたかった干しあんず。
さらに憧れの茶梅をあんずで作ってみることに。

茶梅の下ごしらえ。
コウ静子さんのレシピを参考にさせてらいました
塩とラム酒を加え、水分が上がるまで数日漬け込みます。

小さなあんずを見たとき、以前ネパール土産でいただいた素朴で甘酸っぱい
干しあんずを思い出し、ぜひ作ってみたいと思いました。

でもレシピを調べてみると、干しあんずってただ干すだけではないようで・・・
なるほど。
とりあえずあれこれ調べ、自分なりにトライ。

*干しあんず*
砂糖と水を煮たて、そこに半割りにして種を除いたあんずを入れ火を止めます。
粗熱が取れたらざるに開け軽く水気を取り、漉したシロップをまた煮たて
そこにざるにあけたあんずを入れて火を止め・・・
それを数回繰り返します。
(わたしは4回繰り返しました)

太陽の光に晒して数日干すやり方もあるようですが、カラスや虫が来ることを懸念して(加えてそこまで天気が良くなかったのもあり、天日だと乾燥する前にカビ発生することを危惧して)100度のオーブンで1時間半ほど乾燥焼きすることにしました。

1時間半過熱してセミドライくらいの硬さになったのでとりあえず冷蔵庫へ。
味見してみて乾燥具合が足りなければ随時オーブンで乾燥させようと思ったのですが、冷蔵庫で冷やすことで一段としっかりめの歯応えになったのでここでストップ。
完成としました。(保存は冷蔵庫で)


こっくり、ツヤツヤ。オレンジ色の宝石みたい。

スーパーや八百屋さんに売っているあんずよりも甘さが少なく、酸味が強いです。
さすが野生種。
でも香りは抜群!

オーブンで乾燥焼きさせたので風味も凝縮されているのでしょう、市販の干しあんずよりも風味や香りが強く、とても美味しい。


干しあんずとシロップ漬け

シロップ漬けは干しあんずで使ったシロップに半割りしたあんずを入れてそのまま冷ましたもの。
シロップ漬けの方が甘さが少なく、酸味がキュキュッと際立っています。
こちらはお菓子づくりに活用しよう(作ったお菓子はまた後日投稿予定)

茶梅

こちらは茶梅。
下漬けした梅を砂糖加えさらに漬け込みました。
黒いものは烏龍茶の茶葉です。

最初の下漬けの段階では割らずにそのままだったのですが
さすがは野生のあんず、半割りするとときどき虫食いがあったので
こちらも半分に割って虫食いがないか確認して漬けることにしました。
15個に1個くらいの割合で虫食いのあんずがあったので開いてみて正解でした(笑)

茶梅は1ヶ月後くらいに食べごろになるそうです。
以前台湾に行った際購入してその風味と絶妙な甘じょっぱさに感激した茶梅。
あんずだとどんな風味になるでしょうか。
今から楽しみです。




おまけ。


夏至の日に庭で積んだよもぎでオイルやティンクチャー作り。
どくだみは定期的にお世話になっている某治療院の庭先に生えていたものを少し分けてもらいました(G部長って書いてあるけど 笑)
手作り化粧水にする予定です。


最近はお出かけや旅行、外に向かっての行動はグッと少なくなりましたが
こんな感じで庭先になったものや拾ったものなどを活用して
ものづくりしたり遊んだりマイペースに楽しんでいます。

質素だけど実り多く、豊かな日々。
とても満ち足りた毎日です。

今暮らすこの地ともっと仲良くなりたい。
そんな気持ちで夏を過ごしています。

いろんなことがあり、心波たつこともありますが。
どうかみなさん、実り多い夏を。

追記:タイトルの杏っこは室生犀星の小説のタイトルからもらいました。




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