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離婚のこと

知り合いが誰もいない土地で出産しました。
産後は、里帰りせずに母に来てもらったのですが、大変でした。
今思うと無謀でした。

産院とかで知り合いができるといいなー、という私の思いは打ち砕かれ
そういうサークルのようなものも見当たらず、
子供が少し大きくなって、近所のイオンのプレイコーナーで遊ばせるのが精いっぱいでした。

夫は泊りの出張が多くて、平日はほとんど家にいませんでした。
子どもと二人、毎日毎日、アパートで過ごしていました。
裏のアパートの建て替えが始まり、お昼寝の時間に工事音がすると、絶望で涙が出ました。
せっかく寝たのに、、、って。
逃げ場はどこにもありませんでした。

離婚の原因は「性格の不一致」です。
お互いの意見や思いがかみ合わず、家の中がだんだん暗い雰囲気になっていきました。

子供が寝たとたんギターを弾き始めたので、やめてというと不機嫌になりました。
私の母がプレゼントしてくれた木馬を、ストーブ前にフェンス代わりに置いたので、燃えたらどうするの!?と言ってやめさせたこともありました。

夫は自分の親と、私の親をことあるごとに比べていました。
私の母は、おしゃれでかわいいものが好きなので、孫が生まれてうれしくて時々贈り物をしてくれました。
子どもも気に入って、それで楽しく遊んでいました。

夫の母は、そういったことが苦手だったのかもしれません。
喫茶店でもらってきたコースターを、お誕生日カード代わりにして送ってきたのです。
後にも先にも、それしかもらった記憶がないです。
私は気持ちがうれしくて、部屋に飾ったんです。
そしたら、「俺の親をバカにしやがって」って。

不機嫌になって、布団をかぶって寝込んでしまったのです。
話し合いをしたくて、布団の外から話しかけてみますが布団から出てこないし、話し合いになりません。

ある時、友達の結婚式の招待状が届き、返事を書いたので、会社に行くついでにポストに入れて、とお願いしておいた手紙がそのまま置いてあったことがありました。
もう、こんなことすら頼めないのか。。。と思い、悲しくなりました。
家の中が、どんどん暗くギスギスしていきました。

年末年始の帰省で少し早めに実家に戻って、そのまま実家での生活が始まりました。
既に、離婚への踏ん切りがついていたわけではないけれど、もう戻れる自信がなかったです。
あの、どんよりした空間で子育てするなんて嫌だと思いました。

しばらくして、本格的に実家に戻る決意が固まり、アパートに残してきた私と子供の荷物を取りに戻りました。

実家から引っ越し業者を手配して、夫が出張でいない日に行きました。
役所での転出手続きなどもその日にやりました。
アドレナリンが出まくっていて、やるべきことを次々にこなしました。

結婚前から私が使っていた貯金用の通帳。
結婚後は、そこに夫婦の分として貯金していました。
その通帳も、いつものところに置いてありました。
もうないかと思っていたのに、やっぱり子供のために残しておいてくれんたんだ。と。
ありがとうと手紙まで書いて置いてきました。

私は甘かった。
実家に帰ってお金をおろそうとしたら
残高ゼロ。
夫はカードで全額おろしていたんです。
そして、残高が記載された通帳だけダミーで置かれていたのです。
私はATMの前で震えました。

この通帳のお金は、ほぼほぼ私が独身時代から貯めていたお金。
新婚旅行のお金も私が出したんです。
夫からプレゼントなんてもらったこと、ほとんどないです。
私はほんとに、自分が情けないと思いました。
専業主婦が、小さい子供を連れて家を出るというのにビタ一文よこさないという仕打ちをする人間とわたしは過ごしていたのかと。

普通に両親がそろっていて、温かい家庭で子育てがしたかった。
何もお金持ちとかでなくていいんです。
それを与えてあげられなくて、子どもには本当に申し訳なかったと思っています。

子どもが赤ちゃんの時に分かれたので、子供に父親の記憶はありませんが、成長するにつれて周りと違うな、と気づいてきました。
みんなにはいるのに、なんで僕には父さんがいないのと聞かれて
喧嘩してしまって、もう一緒に暮らせなくなってしまったんだよ。ごめんね。
と話して、子供と二人で泣いた夜もありました。

何年かかけて、裁判までして、やっと離婚出来ました。
離婚後の手続きのために、何回役所に行ったことか。
印紙を何回買ったことか。
もうヘトヘトでした。

あの時の私、頑張ってました。
悩みとか苦しみは時間が解決してくれると言うけど、ほんとにそうですね。
大変だったのは覚えてるけど、細かい事が思い出せなくなってきてます。
また別の大変なことも巻き起こってくるし。

そうやって、前に進んで行くしかないか。
生きていくというのは
大変な事ですね。
今日も1日無事に終わりました。
ありがとうございました。
明日も笑顔で過ごせますように。


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