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読書記録:「『人に自分のことを喋ってもいいんだな』って、体がわかってきたんじゃない?」と。

この本について

あらすじ:死ぬまで生きる日記_土門 蘭

生きづらさを抱えるすべての人に。
「楽しい」や「嬉しい」、「おもしろい」といった感情はちゃんと味わえる。それなのに、「死にたい」と思うのはなぜだろう?
カウンセラーや周囲との対話を通して、ままならない自己を掘り進めた記録。

https://www.ikinobirubooks.co.jp/nikki/
生きのびるブックス

感想

タイトルを見て「重そうだなぁ」と思って読むのを先送りしていたけど、私にも寄り添ってくれる柔らかくてあったかくて。

読み終わるとすっきり、心が軽くなる本だった。しばらくは傍におきたい一冊。

カウンセリングを受けて、少しずつ身近な人にも自身のことを話せるようになっていく作者も、その周りの人の柔らかい言動が素敵で、グッとくる文章がたくさんありました。

ほろほろ

素敵な表現・好きな言葉

ここからはネタバレあり!

私が読みながら付箋をつけた文章のなかで特にすきなところを残します!

じわっと涙が溢れちゃう…。あったかい表現。

自分で自分を幸せにする…
そんなことができるのかな。
でも、もしもできたら、それってすごいことだよな。
だって、自分の中に居場所ができるってことだから。
頑張らなくても、努力しなくても、常に自分の中に心地よくいられる場所があるってことだから。

p.60

「『人に自分のことを喋ってもいいんだな』って、体で分かってきたんじゃない?」と。

p.124

「うん、細菌は休みの日に『どっか遊びに行こう』とか『なんか映画観よう』ってよく言うやん。あれ、俺嬉しいねん。お母さんが楽しそうだと、嬉しいねん…

p.179


共感や考えたをもった文章

多分これも、友人の愛情表現なのだろうか。
そういう目で見ると、割と愛ってそこかしこにあるのかもしれないな、と思った。

p.129

人にはそれぞれの愛の示し方、伝え方があることを肯定してもらえた気分。

自分はまだ、私の愛情表現が届かなかったり、伝えたことで相手に嫌な思いをさせてしまったら…とか考えてしまう時があるから、より響いた。

それに、「死にたい」と思うに値するほどの苦労は私にはない。
そんなことを感じるのは甘えであり、愚かで傲慢なことだ。

p.153

自分もよく自身に対して「甘え」という表現をよく使うことに気が付いた。

やりたいことを選択しようとするときに「甘えなのではないか」と思って二の足を踏んだり、自分の感覚に自信をなくす。

でも最近は「甘えってなんだろう」とか「甘えの選択をとって責任をとるのは自分じゃない?」とか考えて、甘えに対してややゆるく考えてる。

恋人は「他者が関与することには甘えってあるかもだけど、自身のことに甘えとかってないと私は考えます」って言ってた。

たしかに…。兄さんさすがですわ。

最後に…。

全体的に柔らかいイメージをもった。
号泣する作品!って感じではなくて、じわっと涙が溢れるって感じ。

一緒に寄り添ってくれる優しい一冊でした。

「そうですね。多分、地球に馴染むのではなく、息がしやすい世界を新たに作りたい、ということなのだと思います。つまり、『書きたい』と」

p.169




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