花火

4曲目「花火」の歌詞や制作のこと

去年の花火は
もう二度とあがらない
天使の手のひら
何度もよみがえる

まぼろしが
わたしに手をさしのべる
けがれない君の腕
猫を抱く
きよらかな記憶
鳴り響く運命が
くり返すフレーズ
天に昇った

あの日の花びら
もう二度と香らない
草むら
神さま
人の波
祭りの灯

まぼろしが
わたしに手をさしのべる
ほほえんで
でもとても哀しいんだ
果たされない願い
なにひとつ叶わずに
きよらかに
星座
重なり合った

あの日の花火は
永遠照らしてた
天使の手のひら
つかんだ
君の影

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インスタグラムでの弾き語り、「2016年3月のうた」です。

花火大会の賑やかさとは対照的な、哀しい心の内側を歌った曲です。
もう二度と会えない人、もう二度とない瞬間のけがれのない、きよらかさ…
記憶の中のそれらは、ボロボロになりながら這いつくばって、惨めに生き続ける自分とは対照的に、永遠に美しいまま圧倒的な力を持ってわたしを支配する。

そんな美しい思い出たちのことを歌っています。儚いからこそ美しいということではなくて、儚くて美しいものが永遠に変わらずに記憶の中に生きている、ということを書きたかったのだと思う。

サウンド面では、自分の声の音域と他の楽器の音域とのバランスに気をつけて、どうしたらナイスサウンドになるのか試行錯誤しました。
この音源を作り始めたときに、ジョージ・シアリングをよく聴いていたこともあって、ビブラフォンとピアノを使ったら結構気に入って好きな音になりました。あとは「まぼろしが〜」のところのピアノのフレーズとか天に昇っていく感じがして気に入っています。

管楽器はみっぴにアレンジしてもらいました。トランペットのパートはキースイッチで奏法を組み合わせたらすごくいい感じになりました。ミュートトランペットはボトムズのイメージだそうです。あはは。装甲騎兵ボトムズって知ってますか？ミュートトランペットの曲が印象的な回があるんですが、たぶんそれのことかな。

この曲も歌の録音は全然うまくいかなくて苦しかったけど、最後、やっと気に入る歌が録れました。長い旅だったー！

全体的な出来上がりとしては今、すごく好きな曲で、思い入れの強い曲でもあります。


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