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生きるぼくら
田んぼ 米 茅葺き屋根 定食屋 竈門 湖 囲炉裏 おにぎり
心が落ち着くキーワードがたくさん出てくる
自分のばあちゃん家を思い出すような懐かしい気持ちで読んだ。
いじめをきっかけに引きこもりになった少年が米作りを通して人とのつながりの尊さに気づき、生きる活力を見出していく話。
四季折々の米作りの作業が映像で伝えられるようなていねいな文章で綴られている。
そして、何よりそれぞれの登場人物の温かで優しい人柄が読む人をとても心地よくさせてくれる。
以前は私の祖父母も米作りをしていて、親戚中に収穫したお米を小包で届けてくれていた。しかし、今は高齢のため祖父母は作業ができなくなった。田んぼは草が生えきった荒地になっている。親戚の誰もが、祖父母の田んぼの存在は忘れてしまっているし、思い出したとしても米作りをする手順も方法もわからない。
いつか、自分がやってみたいと思うが、祖父母が住んでいるのは離島のため米作りを本格的にするならば、今の仕事をやめることになるだろう。
それでも、
ーおれたち人間もまた、この自然の一部なのだ。
そこはかとない一体感が、体の隅々までいきわたっている。
自然と、米と、人間と−-- ぼくらは、みんな、一緒に生きているんだ。
この感覚を自分も味わいたい。心から、自然に感謝し、食べることの幸せを感じたいと強く思った作品だった。
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