第16話 1ヶ月遅れの入学
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心が氷のように固まり、右にも左にも動かない。
というか、動かないことが自分を守る手段だったのかも知れません。
体に入った腎臓の管は、2週間に1度交換が必要でした。
初めての交換では検査室ですることに。
管が通っている道がしっかり出来上がってないとの事で、医師はガイドワイヤー(医療用のワイヤーで、太さは用途によって色々あります。柔らかく痛くないです。)を使い、管を交換しました。
管の場所は、真横の肋骨から3cm下あたりに、左右に造られています。
元々腎臓に神経はありませんから、ワイヤー使っても痛みは無いのです。
心が氷のようにしたまま、春休みが来て、次の手術です。
次は膀胱にも管が入りました。
場所は、丹田より少し下です。
管は合計3本になってしまいました。
管の先には尿を貯めれるパックがあり、マジックテープで胴体に固定していました。貯まってきたらトイレに行き、パックの先のキャップを外し出します。
膀胱の管の交換は、膀胱は神経がある為痛いです。
手術をしても最早、何も言葉は出てもきませんでした。
真っ暗闇の思春期です。
手術があった為に、1ヶ月遅れて中学生になりました。
教室に入ると
誰???
の視線が。
誰からも声をかけられることも無く、席に着き、授業の準備をする。
ずっと誰も座ってなかった席の顔が、皆に分かった時でした。
でも、誰も話しかけて来ることは無かったです。
小学校からの友人は別のクラスで、話し相手は同じクラスには無かったです。
しかも、1ヶ月遅れなので数学も英語もちんぷんかんぷんです。
何もかもが、前途多難な思春期の始まりでした。
小さな頃から季節の変わり目には風邪をひき、2週間の入院をよくしてきたので、元々勉強は遅れ気味でした。
クラブや部活は、体を使わないものを。
小学校のクラブでは手芸部、中学校では美術部、中学3年生から養護学校に転校しますが、そこではコンピュータ部やカメラ部と、楽しめました。
あとは、入院中に漫画や小説を読むので国語や古典は好きでした。それが後々に作文書いたり、こうしてブログを書くようなことになったりするなんてね。
小さな頃は、思いもしなかった事です。
どれだけ辛い人生でも、必ず小さな灯りはあるよ。
大切にしてきて、良かったね!
勉強したくなったら、何時からでもできるし、誰かが助けてくれるよ?
忘れないで。
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