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第30話 初めてのシャント閉塞
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初めてシャントの音が聞こえなくなりました。普段は血液がゴーゴー流れる音が、聴診器で分かるものが、聞こえないのです。(シャントとは、透析をするために動脈と静脈を手術で繋いだ血流量が多い血管です)
これでは透析ができません。
透析出来ないと死んでしまいます。直ぐに新たなシャントを造る手術になりました。
局所麻酔で手術は出来て、新しいシャントが出来ました。
でも左腕の内側を切られた汚い傷ができました。8cmほどの斜めの傷が曲げる所にできています。傷は順調に治りつつありましたが、手術した医師が診察に来ません。看護師からも疑問の声。
![](https://assets.st-note.com/img/1716271267888-pqvunSUVOU.jpg?width=800)
超ドアップで撮ってみました。
「何で来てくれないの?」
とごねると、やっと来ましたが傷を消毒したらスタスタと行ってしまいました。用は済んだとばかりに。酷い扱いです。女子高生にこんな汚い傷を造っておいて。
理不尽な事を我慢するのは慣れていますが、悲しく虚しかったです。シャントが無いと死んでしまうし、感謝しないといけない。でも。。
お腹にも傷はあるし、管も3本ある。今更、傷ごときで。でも。。
心に出来ていく傷は増すばかり。
一生懸命に、自分を納得させようとします。
心臓病の子は痩せないといけない。脂肪細胞にも血液を送るのは、心臓に負担だから。
喘息の子は、いつ大きな喘息発作が起きて死ぬか分からない。
私はシャントがあれば大丈夫!
でも。。を一生懸命に納得させようとしました。
小児科では、私と同じ膀胱尿管逆流症からの慢性腎不全はいませんでした。私だけが管3本あり、悲しかったです。
他の透析の先輩は、プールに入れるのに。。私は。。
切ない憧れがありました。
お風呂の時間に皆とお風呂に入りますが、無論私だけが管とパックがあり、マジックテープで体に付けているパックを外して、マジックテープだけを脱衣所に置いて、パックを持ち入ります。
心も元気でいるって、簡単なことじゃありません。無理矢理我慢する事が多すぎます。
いつまで、管入ったままなんだろう?
プール、入りたいのに。。
心の内を見せず、何食わぬ顔で日々は過ぎていきました。
心の声は聞こえていても、望みを叶えてあげられない。
どうしてあげることも出来なかったね。
でも本当に偉いよ。
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