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第96話 先ずは絶飲食からと笑顔仮面

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エレンタールを飲んでも、30分後に下痢する事が1週間続いた日がありました。
(駄目だこりゃ、栄養吸収できてないわ。諦めて入院するか。。)

熱は38度を超えていて、右下腹部はカチカチになっていて腫れていました。
血液検査で炎症反応の値(CRP)は21をたたき出し、即入院です。(正常値は0.3以下で、風邪なら3程度です。)

とにかく点滴し、絶飲食の開始でした。
そう、飲む事さえ禁止されました。
点滴で抗生剤をポタポタ入れる日々です。

腹水は3kg
お腹が炎症を起こしているので、それを冷やそうと自然に腹水が溜まります。
ウエストなんて無くなります。
なんなら背中側にも腹水はありました。

オオハンゴンソウ
八重咲きです。ですが環境省の特定外来生物なのです。
見つけたら根から抜き、干して密閉し捨てて下さい。

抗生剤と絶飲食3日目で、炎症反応の値は11に下がり、やっとお茶が許されました。

お見舞いに妹が来てくれました。
「喉乾かんの?」
「ヨダレいっぱいあるから大丈夫ー」
だなんて余裕無いくせに、笑顔で誤魔化す私。

私は妹の前で泣いた事がありません。
どれだけ手術しようとも、痛くても笑っていました。
痛みを楽しんでいましたが、繰り返す手術に心の中の私は泣き叫んでいました。

(もう嫌だ!嫌だよーーー!!疲れたよー!)
でも私にはどうしてあげることも出来ませんでした。

今でも電車でスマホや読書していると、半袖の時期には隣の人にびっくりされているのに私は気づきます。だからって長袖やカバーをする気は、サラサラ無いのでした。

暑さを我慢するのは嫌だし、逆に苦労している人がいることを知って欲しいのです。

スタスタ歩く見た目は普通ですが、よく見れば傷だらけです。
人工血管で少しは盛り上がった腕をしてますし、針を何千回と刺している痕もあります。(自己血管の方は血管がホース位に成長するので、隠している方は多いです)

透析のお陰で生きて色々な経験を積めていても、クローン病もあり複雑な食事管理で、繰り返す入院に諦めモードでした。

この体で生きてきている誇りがあっても、誇りに埃が積もっていたんです。見えにくくなっていました。

そして入院していると精神科に行けなくて、それなのに家族には平気なフリです。
例えばシャント手術した日に、母が衣料品の買い物に車で連れて行って欲しいと頼みます。

フリをする笑顔仮面は頑丈になりました。



苦しいね。
泣いてる自分に、ヨシヨシわかったよーって、めちゃくちゃ偉いって言えてたらよかったのにね。
一緒に泣いちゃうの怖かったかな?
泣いていいんだよ。

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