見出し画像

第70話 バイト早退し透析

前の記事です▼

透析は夕方5時から受けたかったので、アルバイトは透析日は早退させてもらって、病院へジムニーで通う日々になりました。

アルバイト先の会計事務所は、自宅よりもう少し病院から遠くでした。ですが専門学校時代に夜6時までギリギリ授業を受けて、6時半には透析開始する慌ただしさよりはずっと楽でした。透析後に夜10時頃に帰宅して、寝るまで少し時間がとれるからです。

(なんだ!学生より楽だ!続けられるかもしれない。)
他の社会人の透析患者さんと似たような時間に、透析を開始できる嬉しさがありました。そして看護師さんを夜11時過ぎまで働かせるのは、ずっと気が引けていたからです。

ムラサキゴテン
Instagramには「借りぐらしのアリエッティ」の音楽で紹介してあります。何となく、合う気がして。

この頃、透析は4時間が普通でした。時代が変わって来て、今は透析時間が長く取れるほど透析後の体調も良く、心臓への負担も減り、透析患者の寿命が延びたり、血液検査も良くなる事がわかってきます。

当たり前ですよね。普通の腎臓は365日24時間普通に働き続けています。その状態に近ずけるほど、体調は良くなり血液検査の結果も良くなるんです。

ですが今も昔も腎不全の透析患者死亡原因1位は、心不全です(2022年は感染症)。これから、もっともっと良くなるといいですね。
本当は働き盛りの透析患者さんが、どんどん腎臓移植ができる仕組みが整うと良いのですが。

日本では亡くなった方からの善意で頂く腎臓移植を、献腎移植と言います。逆に親族や配偶者からの生きている方からの腎臓移植を、生体腎移植と言います。献腎移植の待機年数は、だいたい15年~20年ほど。アメリカでは7年ほどと、大きな差があります。

移植外科、透析内科、泌尿器科の医師達が、山程の研究結果を持ち国に提示しても、法律や仕組みを変えていくのは、困難な現実があります。

ですが透析しなければ2週間以内に死んでしまいます。昔は保険も利かなかったんです。家や田畑を売り、それでもお金が無くなれば死でした。多くの昔の患者さんが保険摘要されるように国にうったえてくれて、私は生きていられるんです。頭を上げられません。

透析患者の平均年齢は69歳ほど、透析導入平均年齢は71歳ほど。全国の透析患者数は34万人ほどで私のいる愛知県は2万人ほどです。対岸の火事だなんて思わないで下さいね。高齢化で認知症の透析患者さんや送迎の必要な方々が増えていて大変な状況です。

一病息災という言葉があります。でずが長ければ合併症が出てきてしまうんです。ピンピンコロリ!なんて私には無いことです。
当然の様に病気があり、普通の様に病院に通う。それが子供の頃からの私の日常です。

だから皆さん、体の声を聞いて下さい。暴飲暴食で高血圧にも糖尿病にもならないで下さいね。
本当の幸せをずっと大切にして下さい。
仕事を中途半端で病院に行かなくていいように。

私の移植事情については、またの機会に書いていきます。



私が知っている人も、知らない人も、皆が元気に幸せでありますように。
私もできる限り、休みに遊べる体調でいられる体を保てるといいね。

次の記事です▼


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?