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早歩き、モップ掛け20分で、健康寿命を延ばそう

◆最もしんどい競技は?

学校では、「陸上部」は地味な部活に数えられますが、
世界陸上などでは脚光を浴びるのが陸上競技です。

100m、200m、400m走が短距離
800m、1500m走が中距離
5000m、1万m、マラソンが長距離
と言われます。

ここでクイズです。
一番しんどい競技は、どれでしょうか。

マラソンと思われがちですが、意外にも「800m走」です。
全力で走ると600mで持てる力を出し切ってしまいます。
その先200mで勝敗が決するという「800m走」は、
走った人は分かるでしょうが、殺人的な競技と言えましょう。

◆人間機関車

中、長距離走で強くなるには、どんな練習をすればよいでしょうか。

「朝から晩まで、全力で走る!?」

そうではありません。

1952年、ヘルシンキ五輪で5000m、10000m、マラソンで金メダルを取り、長距離三冠に輝いたのがチェコのザトペックです。
ザトペックは、苦しげな表情と荒い息づかいで走ることから、
「人間機関車」の異名を持っていました。

彼はまた、「インターバルトレーニング」を練習に取り入れたことでも有名です。
ザトペックにより、「インターバルトレーニング」は、世界中に広まりました。

◆インターバルトレーニング

インターバルトレーニングとは、「速く走る」と「ゆっくり走る」を繰り返す練習法です。
200m早く走って、200mジョギングするなど、
走る距離や速度は、練習の目的によってさまざまです。

やみくもに、力尽きるまで全力で走るより、メリハリのある練習の方が、
心肺機能を高める効果があります。

インターバルトレーニングは、トップアスリートが計画的に実行する練習であり、見よう見まねでやるとケガをすると警告されています。

しかし、健康のための運動でも、似たことが言えそうです。

◆8000歩、20分が黄金律

50歳を過ぎると、激しい運動はかえって健康を害してしまいます。
運動のしすぎによって免疫力が低下し、病気になりやすくなるからです。

65歳以上の5000人を調査・研究し、長寿と健康のウォーキング法を提唱しているのが青栁幸利博士です。
博士によると、健康のための運動の黄金律は「8000歩、20分」だそうです。

8000歩は起きて寝るまで歩いた歩数、
20分は中くらいの強さの運動をする時間です。
1日に8000歩、歩けばよいのではなく、
中程度の運動20分というメリハリが必要です。

8000歩は万歩計で測れますが、中程度の運動とは、どんな運動でしょうか。
早歩き、階段を下りる、自転車、山歩き、水中歩行、ゴルフ、掃き掃除、モップ掛け、草むしり、軽い荷物運び、などです。

散歩は、坂のあるコースを選んだり、
途中に早歩きをしたりするとよいでしょう。
家事では、モップ掛け、風呂掃除など、
少ししんどいことを間にはさみましょう。

体に中くらいの負荷をかけることにより、
全身の細胞内のミトコンドリアが活性化し、
生活習慣病の予防にもつながります。

インターバルトレーニングによるオリンピック三冠はムリでも、
早歩き20分、モップ掛け20分で、高血圧、糖尿病、脂質異常症の三病を予防しましょう。

参考文献
1)青栁幸利監修:『100歳まで元気に歩く!正しい歩き方』, 洋泉社,2018

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