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風邪のときは、「パン」より「おかゆ」

◆「パン」+「運動」→ アレルギー

食物アレルギーの1種に、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」があります。
特定の食べ物を食べて運動をすると、じんましん、顔がはれる、息が苦しくなる、失神するなどの症状が出ます。

「特定の食べ物」+「運動」によってアレルギーを起こしますが、
その食べ物は、主に小麦です

同じ小麦製品でも、「うどん」より「パン」の方が少ない量でアレルギーを起こします。
小麦以外に、エビ、イカ、カニ、ブドウの報告があります。

また、「運動」に限らず、「風邪薬」や「痛み止め」によっても同様のアレルギーを起こすことが分かっています。
風邪薬や痛み止めに含まれている消炎鎮痛剤が原因です。
どうして消炎鎮痛剤でアレルギーを起こすのでしょうか。

◆「運動」と「風邪薬、痛み止め」は、胃腸の働きを悪くする

「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」の仕組みを見てみましょう。

小麦のグリアジンという成分がアレルギーを起こします。
グリアジンは、通常、胃腸でバラバラに分解されて吸収されます。
そのため、血液中にグリアジンは存在しません。

「運動」や「風邪薬、痛み止め」によって胃腸が障害を受け、
グリアジンを十分に分解できなくなります

グリアジンが分解されないまま血液中に入り、アレルギーを起こすのです。

「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」を起こしていない人も、
「運動」や「風邪薬、痛み止め」によってグリアジンが分解されないまま、血液中に吸収されています。
ただ、グリアジンに対するアレルギーがないため、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」を起こさないだけなのです。

いつ、グリアジンにアレルギーを起こす人になるかは分かりません。
予防のため、「パン+運動」や「パン+風邪薬や痛み止め」の組み合わせは避けた方がいいでしょう

風邪の子どもの看病に、「パン」「うどん」「エビ」「ブドウ」は似つかわしくありません。
風邪に「おかゆ」が定番なのもうなずけますね。

参考文献
堀川達弥:「食物依存性運動誘発アナフィラキシーの診断と予防の実際」,MB Derma. 205: 37-42, 2013.

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