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男性の貧血は「大腸がん」か「更年期障害」

◆健康診断

「にらめっこ むかし通知簿 いま健診」

学生時代は通信簿とにらめっこしながら、一喜一憂しました。
「国語が上がった」
「数学が下がった」

それが今日、健康診断の結果とにらめっこです。

「血糖が上がったなー」
「悪玉コレステロールが高すぎる」
「このクレアチニンというのは、なんだ?」

今回は「貧血」にスポットを当ててみます。

◆貧乏な血

「貧血」と聞くと、どんなイメージがありますか?
立ち上がったときにフラッとする。
それは「立ちくらみ」であって「貧血」ではありません。

「貧血」とは、「貧乏な血液」と書きます。
血液が赤いのは、血液中に赤色の赤血球がたくさんあるからです。
赤血球の仕事は、全身の細胞に酸素を運ぶことです。
赤血球の数が少ない状態を「貧血」と言います。

貧血がどうかは、血色素量(ヘモグロビン)で分かります。
ヘモグロビンが基準値より低いと貧血です。

◆女性の貧血

若い女性の貧血の多くは、生理による「鉄欠乏性貧血」です。
赤血球の重要な原材料が鉄です。
女性は毎月の生理で、多量の血液を失います。
それを補充しようと、せっせと赤血球を作るのですが、
材料の鉄が不足して貧血になるのです。

鉄を多く含む食品、肉、魚、レバーを食べましょう。
貝、大豆、緑の野菜、海藻にも鉄は含まれています。

◆男性の貧血

生理のない男性も、貧血になることがあります。
男性の貧血の原因で、最も注意すべきは「大腸がん」です。
大腸にポリープやがんがあると、そこから少しずつ出血し、
貧血になることがあります。

「大腸がん」を疑ったら、「便潜血」を見てみましょう。
「便潜血」とは、便に血が混じっていることを調べる検査です。

「私の便には血は混じっていません」と思うかもしれませんが、
見た目に便に血がついていたら「痔」か「下血(げけつ)」です。
便潜血とは、いっぱいに水を張った風呂に落とした一滴の血液をも感知する検査です。
大腸からのわずかの出血を見極めることができます。

「便潜血」の検査が陽性であったら、
迷わず大腸内視鏡の検査を受けましょう。

◆男性更年期障害

貧血なのに「便潜血」は陰性の場合、次に考えるのは更年期障害です。
男性更年期障害ではテストステロンというホルモンが減ります。
テストステロンは骨髄に作用して、赤血球を作ります。
男性更年期でテストステロンが減ると貧血になることがあります。

筋トレでテストステロンを増やしましょう。

参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021

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