見出し画像

あともう一歩。養子縁組から半年が経って

2023年7月に特別養子縁組でラオスより1歳の息子・一生を迎え、前後して6月に実子・二葉を出産。フランス人のパートナーと、家族4人でパリ在住。詳しくはこちら。


こどもを保育園に送り届けて家に戻ると、パリ市の養子縁組の担当ソーシャルワーカーから郵便物が届いていた。封を開けると、『評価レポート』が三部。

フランスにおける海外養子縁組の場合は、こどもが家庭に迎えられてから半年間ほど、ソーシャルワーカーによる観察期間が設けられており、何回か家庭訪問を受け、それをもとに評価レポートが作成される。わたしたちはちょうどそのレポートを待っていたところだった。

ラオスでの特別養子縁組は完了しているものの、フランスではまだ道半ば。このレポートを携えて、裁判所に特別養子縁組を反映してもらい、改名を含む手続きを申請するというステップが必要になる。息子がラオス名から、フランス名を名乗るまで、あともう一歩(といっても、あと半年くらいはかかる見込み)。

フランスの制度の話なので、多くの人にとって有益な情報とは言えないけれど、ソーシャルワーカーがどのような視点で私たちを見ていたのか、少し垣間見れて、心に残ったところがいくつかあったので触れてみたい。

レポートは、大まかには、一生の基本情報から始まり、主に私たちからの聞き取りを文字に落としたかたちで、私たちのラオスでの出会いがどうであったか、健康状態や発達度合いについての所見(小児科の定期健診・ワクチン接種がきちんと行われているか、年齢相応の発達がみられるかなど)がまとめられいる。さらに、環境への適応・家族との愛着形成への所見が綴られ、これらを踏まえて、児童福祉局としては、この特別養子縁組をサポートする立場を取る、という結論で締めくくられている。

ダメだったらどういうルートを取るのか若干気になるが、おそらく環境不適応、養親の鬱や孤立の懸念があれば、行政からスムーズにサポートをするための観察期間だと思うので、フォローが継続されるのだと推察する。

レポートの中でなんと言っても嬉しかったのが、「両親のもとで笑顔にあふれた、幸せな小さな男の子だと見てとれる。両親との愛着は形成され、一生は両親の愛情を受け取っている」と第三者から確認してもらえたこと。わたしたちの個人的な実感のほかに、数多くのケースを見てきたソーシャルワーカーからの意見には、やっぱりほっとさせられる。

他にも、「夫婦として協力しあい、補完的な役割を果たしているのが見て取れる。日々の気づきや疑問点を忌憚なく話し、外部にアドバイスを求めることをいとわない」というコメントも嬉しかった。

そこには、こどもふたりを生活の中心に据えて、生活リズムを調整し、他の養親と交流があること、養親からなら民間団体ともコンタクトを取っていること、海外養子縁組でフランスに来た児童のためのカウンセラーにも言及したことに触れられている。

要は、養子縁組の子育てで悩んでたときに、孤立せずに、必要があればほかに助けを求める環境にある、そういう姿勢があることが確認されていたのかなと思う。これは、こどもの福祉の観点からは、とても大事なことだと思うし、改めて自分たちの力だけで何とかしようとせず、周りの力を借りながら、一生や二葉の成長を助けていきたいなと感じた。

この記事が参加している募集

#今週の振り返り

7,402件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?