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秋の夜長を楽しむ【五香粉とセロリの餃子】|「ハーブ&アロマ」香る暮らし

私も子供のころから大好きな餃子。昼はニンニク抜きにしたり、夜はビールのアテとして楽しんだり・・・もちろん白米とも!シーンに合わせた食べ方が選べますよね。今回は、ハーブ入りの一味違ったレシピを、アロマセラピストのルーシー恩田さんにご紹介いただきます。

19時過ぎまで顔を見せていた太陽が、17時過ぎには別れを告げ、月へと「バトンタッチ」する季節になりました。夕暮れには冬の訪れを予感させる香りが漂い、私にとっては少し寂しくも心躍るシーズンの到来です。

いつ陽が暮れるかなんて、「サラリーマンな時間軸」で考えれば、あまり関係ないかもしれませんが、私のように「小学生男子な時間軸」で生きていると大問題。だって、真夏よりも外にいられる時間が2時間も短くなるのですから。

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早く陽が暮れるということは、必然的にお家の中で過ごす時間が増えるということ。私自身「ひとりっこ」のおかげか、家でコソコソ楽しく過ごすのは、比較的上手な方だと自負しています。

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例えば、暖かいお茶を淹れアロマを焚きながら本を読んだり、お気に入りのレコードを聴いたり。あとは「食欲の秋」だもの!秋の食材をふんだんに使って料理をするのも、楽しい「秋の夜長」時間の1つ。あ〜秋って忙しい!

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私は20歳で親元を離れ、渋谷で1人暮らしを始めました。四畳半でなぜか部屋の形は「三角形」。洗濯機置き場はなく常にコインランドリーでお洗濯。お風呂もシャワーのみ、そんな不自由な部屋でしたが、歓楽街までは歩いてすぐ。親から小言を言われることもない、私だけの小さな「城」でした。そう、気分は四畳半のプリンセス。

引っ越した当初は浮かれて「夜遊び」に励みましたが、なんだかんだ家でゆっくりと過ごす時間もすごく大切。クラブで遊んで帰ってからの楽しみは、なぜか朝方にパンを焼くこと。別にパンが食べたいから焼いていたのではなく、いま思えば「黙々とパンを捏ねる」という行為を通して無意識に「内と外」とのバランスを取ろうとしていたのだと思います。

外で見せる「顔」と家での「顔」は、違って当然。良くも悪くも裏表のない人間なんて、味がない!と思ってしまう、ひねくれた私です。

表裏はいつだって一体。どっちが「良い」とか「悪い」って話ではなく、「静と動」、「陰と陽」、「メリとハリ」、昼ドラで言えば「牡丹と薔薇」が居てこそ、全体のバランスが「ほどよく」均等に保てる気がするのです。うん、多分ね。

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外面が良い私にとって、料理は「心」のバランスをとる為の「瞑想」のようなもの。自然と浮かんでくる想いをただ傍観してみたり、1つの事を「じーっ」と熟考したり、全てを忘れ黙々と「無」になることもできる、自分と向き合う大切な時間なのです。

せっかくの「秋の夜長」、これも何かのご縁!今年の秋冬は、お家で「料理的瞑想」を試してみてはいかがでしょう?メニューは断然「餃子」がオススメ!刻む、捏ねる、包む。の3ステップできっと心が整うはず。

五香粉とセロリで大人の旨味たっぷり餃子

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甘い香りで独特な風味を持つ「五香粉」。数種類のスパイスをミックスした物で(5種類とは限らない)、通常はシナモン(桂皮)、クローブ(丁香)、花椒(ホアジャオ)、スターアニス(八角)、フェンネル(茴香)、陳皮(チンピ)などが配合されています。

実は、これらのスパイス達はアロマセラピーや漢方でも良く使われており、体を温め、新陳代謝を促進し、消化を助けるなどの、身体に嬉しい効能を持っています。

中でも、花椒(ホアジャオ)は麻婆豆腐でもおなじみのスパイスです。私はこれが大好き!爽やかなシトラスの香りで、ピリッと刺激的で痺れる辛みが特徴的。
この難解で複雑な風味が、私の中の「眠れる獅子」を起こしてくれるような気がして、ついついクセになってしまうのです。

嬉しいことに、この花椒(ホアジャオ)には「ホルモンバランスを整える作用」と「精神を安定させる作用」があります。心と身体を整えるのに、とても効果的なスパイスなのです。

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今回ご紹介するのは、この「五香粉」を使ったセロリと豚肉の餃子。独特な五香粉の香りとセロリの風味、甜麺醤の甘みで冷めても美味しく、水餃子やスープにもオススメです。

■材料

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・餃子の皮(大判)  30枚
・豚挽肉 300g
・長ネギ 1本
・セロリ 1/2本(葉の部分も使う)
・生姜 1片

a)醤油 大さじ2
a)紹興酒 大さじ1
a)甜麺醤 小さじ2
a)オイスターソース 小さじ1 1/2
a)塩胡椒 少々
a)五香粉 小さじ1/3程 ※香りが強いので入れ過ぎに注意
a)花椒粉 小さじ1/2
a)ごま油 大さじ1/2

※タレ お酢と胡椒
※飾りの万能ネギや胡麻、パクチーなど お好みで

■作り方
①ボウルに挽肉を入れ、a)の材料を加えよく捏ねる。 (まずお肉にしっかりと下味を付けるため)

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② ①のボウルに、みじん切りにした長ネギ、セロリ、生姜を加え更によく混ぜる 。(粗みじんで大丈夫!)

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③餃子の皮に②を適量のせて包む。

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④フライパンでごま油大さじ1/2(分量外)を強火で熱し、餃子を並べ入れて、蓋をして焼き色を付ける。うっすら焼き色が付いたら熱湯200cc(分量外)を注ぎ、中火で蓋をして4分程蒸し焼きにしてから、蓋を取り余分な水分を飛ばす。仕上げにごま油(分量外)を少々垂らし、パリっと焼き目をつける。

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⑤お酢と胡椒で召し上がれ!

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五香粉とセロリの香りで、オリエンタルムード漂う大人の餃子です。美味しさの秘訣はしっかりとお肉に下味をつけること。そしてお気に入りのお皿に素敵に盛りつければ、「芸術の秋」と「食欲の秋」を同時に楽しむことができます。

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今回私が使った青い大皿は「ブルーウィロー(青い柳)」と呼ばれる、18世紀〜19世紀にかけてイギリスで流行った柄。当時の「東洋への憧れ」が表現されている、イギリス独特に作られた絵柄です。

タレに使ったのはアメリカのスリフトショップで買った、数十年前にロスに存在していた中華屋さんの小皿。

どちらも「なんちゃってチャイナ」風でいいでしょう?お皿1つで料理の雰囲気とモチベーションはガラっと変わります。

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余談ですが、参考までに。私は鎌倉の「邦栄堂製麺」の餃子の皮を愛用しています。ほのかに甘みを感じる、モチモチ系ので厚めの皮。新聞紙に包まれて手渡される、街の製麺所です。焼き餃子はもちろん、水餃子にしても最高に美味しい!皮が適度に伸びるので、驚きの包みやすさです。

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餃子作りは、1人暮らしなら黙々と1人の時間を楽しめて、家族と作ればちょっとした楽しいイベントにもなるでしょう。ぜひお試し下さい。

家での時間を楽しむということは、「自分の内面を楽しむ」ということにも繋がる気がします。本来は食事や休養を取り、くつろぐ為の「家」。つまりお家の中は自分だけのサンクチュアリ(聖域)なのです。

秋はそんな「サンクチュアリ」を整え楽しむのにピッタリなシーズン。日暮れと共に、すこーし力を抜いて「内面(家と心)」に目を向けてみてはいかがでしょう?

あ、そういえば「スポーツの秋」ってこと、すっかり忘れていました。さて、食べた後はお散歩に行くとしましょうか!

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ルーシー恩田 @say_it_with_lucys
アンティークバイヤー / IFA認定アロマセラピスト / ITEC認定リフレクソロジスト

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20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえる事により、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。https://www.lucys-antique.com/


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