「採用スライド」の作り方を、反省点とともにすべて公開します。
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「採用スライド」の作り方を、反省点とともにすべて公開します。

こんにちは!エンタメ業界のDXを進めるブロックチェーン系スタートアップのGaudiyで、採用・PRを担当している山本(@hanahanayaman)です。

Gaudiyでは先日、3周年の節目に「Culture Deck」を公開しました。(※一般的に「会社説明スライド」「採用スライド」と呼ばれているものです。)

この先駆けはSmartHRさんですが、今ではスタートアップを中心に、多くの企業が自社の採用スライドを作成・公開していると思います。

事業やカルチャーを数十枚のスライドを通じて伝えることで、候補者のアトラクトや面談を有意義に使えるメリットがありますが、「よし、自分たちも作ろう!!」と思っても、なかなか難しいのが現実ではないでしょうか。

Gaudiyでも数度の挫折を経て(笑)、私がお試し入社したタイミングで引き継ぐことになったのですが、「参考になる採用スライドまとめ」的な記事はいくつか見つけた一方で、どうやって制作したかのプロセスについては全くと言っていいほど情報がなかったんですね。

そこで今回は、私が4ヶ月ほど右往左往しながらやっとの思いで完成に漕ぎ着けたプロセスと、そのなかで感じた反省点や気づきを、すべて公開してみることにしました。

前置きとして、このnoteは「こうやって進めればいい感じの採用スライドが作れるよ!」といった綺麗なノウハウではありません。また、デザイン面のご参考にもなりません。あくまで、採用スライド作成のプロジェクト進行を主導した、人事担当者(正しくは人事ではないけど便宜的にそう呼ぶ)の格闘プロセスです。

これから新たに採用スライドを作成する方々に向けて、ありのままに書いてみましたので、少しでもご参考になる部分があれば嬉しく思います!

(7,000字近くなっちゃったので、適宜読み飛ばしてください🙏)

1. まず、なにから始めたか?

「Culture Deck(採用スライド)を作ってほしい」という話を代表の石川さんから聞いて、まずはじめに行ったことはメンバー全員との1on1です。

当時、フルタイムメンバーで20名弱くらいだったのですが、全員と30分ずつ、お互いの自己紹介も兼ねた1on1を設定していきました。

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雑談ベースで色々話しましたが、意識的に聞いてみたのは以下のような質問です。

・Gaudiyに入社した経緯、決め手は?
・Gaudiyを家族や友人に紹介するとき、どのように説明する?
・Gaudiyで働いていて、どんなところが良いなと思う?
・Gaudiyにはどんな人が多い?活躍してる人はどういう特徴ある?

この意図としては、まずは自社のことをよく知ること、そして「元・採用候補者」であるメンバーに直接ヒアリングすることで、資料で訴求すべきポイントを探ろうと考えました。

もうひとつ、同時並行で行ったのが、他社スライドのリサーチです。

参考になる採用スライドを親切にまとめてくださっているnoteをいくつか参考にしたり、他にも自分で探してみたりして、どういう観点で自分たちにも取り入れられそうか? というポイントを洗い出していきました。

▼参考にさせていただいたnote

(上記noteに取り上げられている以外にも、素敵な採用スライドがあったので、2021年版として別noteにまとめておこうかなと思います。)

ここで大切にしていたのは、「この企業のスライドいい感じだよね」ではなく、「どの点が、どのようにいいと感じたのか?」を代表とすり合わせることでした。

たとえば、石川さんからは「グッドパッチさんの / メンバーの紹介が / 経歴だけでなくストーリーで伝わってくるのがいい」と共有いただいたり、私からは「10Xさんの / 事業の伝え方が / Market Issueから説明されているのがわかりやすい」といった感じで、参考になりそうな要素を出していきました。

最初のステップとしては、全員との1on1、他社の採用スライドのリサーチともに、やっておいてよかったと思います。改めて言語化すると、こういうところがよかったかなと。

🙆‍♀️よかった点
・今後想定される課題が明確になった。
1on1でわかったのは、会社に対して感じている魅力や、どういう人が多いかについてはほぼ回答が一致していた一方で、「家族や友人にどうやってGaudiyを説明するか」については回答がバラバラだったこと。想定はしてましたが、Gaudiyの場合は「事業説明の仕方」が肝だなと感じました。

・右往左往した時に立ち戻れる場所になった。
のちにScrap&Buildを繰り返すことになるのですがw、最初に他社スライドのリサーチをNotionにまとめていたことで、迷った時に参照できる場所になったのがよかったです。先人のみなさまに感謝しかない🙏

一方で、最初のステップにおける反省としては以下。

🙅‍♀️反省点
・全体のスケジュール見積もりが甘かった。
おおよその納期感として「1ヶ月」を目標にしていたのですが、プロジェクト管理をきちんとしなかったのと、そもそも工数見積もりが甘すぎたこともあり、結局「4ヶ月」かかってしまいました。特に後半のデザイン部分は時間がかかるので、余裕を持ったスケジューリングにすべきでした。

「1ヶ月か〜まぁやろうと思えばいけるっしょ」的なノリで始めてしまいましたが、そんな簡単ではなかったです(笑)。

私の場合はまず自社の理解からスタート(かつ当時は副業)だったこともありますが、ターゲットとなる公開日が決まっているのであれば、最低でも2ヶ月前くらいから着手した方がよさそうかなと思います。(この辺り、他社さんはどのくらい時間かけてるのか気になる👀)

2. 全体のストーリーを設計する

続いて、スライド作成を始める前に、全体のストーリーを設計しました。

他社の採用スライドのリサーチ段階で気が付いたこととして、よい採用スライドは、全体を通じて伝えたいメッセージが明確です。そして、私がいいなと思った採用スライドには、以下3つの共通点があると感じました。

・ミッション・事業・組織に一貫性がある(=ストーリーが繋がってる)
・スタートアップだけど「信用」がある(=実績、協業企業など)
・成長性・将来性を感じる(=伸びているファクト、今後のロードマップが明確)

これらのポイントを抑えつつ、Gaudiyであればどう伝えるべきか。

私の場合はそもそもGaudiyを理解するところからだったので、過去プレスリリースをすべて読み込んだり、社内のNotionを漁ったり、最初の1週間ほどは石川さんからほぼ毎日1〜2時間いただいて事業や組織の話を何回も聞いたりして、伝えるべき要素をmiroに整理しました。(案1と案2を作ったので2段あります。)

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上図を補足すると、下記のアウトライン(緑ふせん)に沿って、スライドの要素(水色ふせん)を並べ、ストーリーがつながるように組み立てたものです。

- About Gaudiy:会社概要
- Why we are:ミッション・ビジョン
- Why we do:解くべき課題
- What we do:事業内容
- Who we are(culture / team):組織文化、チーム
- For Engineers:エンジニア向けの情報

その上で、何人かのメンバーに違和感がないか、過不足がないかなどをヒアリングして、フィードバックをもとに要素の修正を加えていきました。

またこの段階で、デザイン面で特に相談したいスライドをデザイナーに先出しして共有したり、エンジニア向けのスライド部分の作成をエンジニアにお願いしたりと、必要な人を巻き込むような動きも行っていました。

このストーリー設計の段階における、よかった点/反省点を振り返ります。

🙆‍♀️よかった点
・他社スライドの共通点を見つけ、自社のスライドに応用したこと。
「一般的に採用スライドではどういう視点を盛り込むべきか」を他社さんのスライドから学び、取り入れたのはよかったです。

・周囲を巻き込みながら、わりとスピーディーに進められた。
代表やメンバーへのヒアリング、他社リサーチを行いながら、着手からストーリー設計まで2週間もかかりませんでした。ストーリーはあくまでスライドの骨子にあたる部分であり、実際に作成すると見えてくることも大いにあるので、ここに時間をかけすぎなくてよかったと思います。
🙅‍♀️反省点
・事業に対する理解と詰めが甘かった。
次のパートにつながる話なのですが、骨子はできたものの、その後中身を作る部分でかなり迷走しました(笑)。それは結局、事業に対する理解が甘かったこと、初期段階で詰めきれていなかったことに起因すると思います。

3. スライド作成に着手したが、一旦Web公開を諦める

大枠の骨子はできましたが、ここからが超難関でした。。

結果から言うと、当初目標にしていたスライドのWeb公開を一旦諦め、カジュアル面談で使えるくらいのクオリティまで仕上げることにしました。(その後、外部公開版として作り直す運びに。)

なにがそんなに難しかったかと言うと、メンバーとの1on1でも感じていた「事業パートの説明」でした。GaudiyのビジネスモデルはBtoBtoCであり、「ファンコミュニティサービス」を作っている会社のように見える(そしてそれも間違ってはいない)のですが、本質的には「ファンとコンテンツホルダーを直接つなぐプラットフォーム」をIP事業者に提供している会社です。

その基盤にブロックチェーンやAIなどの技術が使われているのですが、事業モデルの説明で出てくるのが「一般の人には馴染みのない専門用語」のオンパレードで、どう表現すればわかりやすく、かつ正しく伝わるのかがすごく難しかったです。

note用サムネ_2

(ナニソレワカラン)

石川さんから聞いた話を文字と図で書き起こして、何度も壁打ちし、フィードバックをもらいながら作成を進めたのですが、事業パートだけは石川さんにイメージを作成していただいた上で、それを清書する形にしました。

ここでの学びとしては、当たり前のことですが、事業に限らず、自分が十分に理解できていないことを他の人にわかりやすく伝えることはできない、ということ。伝えたい相手に合わせて表現を言い換えるには、本質を理解する必要がありました。(作成している間にもどんどん事業がアップデートされていくし、ワクワクの一方でキャッチアップするの超絶難しかったです。)

なので、採用スライドを作成する人にお伝えしたいことは、代表が言ったことをそのまま反映するのではなく、まずは自分がよく理解できるまで何度もコミュニケーションを取ること、その上で伝えたい相手の理解度に合わせて表現を変えていくこと、を大切にしていただきたいなと思います!(自戒)

ここでも、よかった点/反省点を振り返っておきます。

🙆‍♀️よかった点
・一旦Web公開はできなくても、最後まで資料を完成させたこと。
デザイナーの力を借りなかったため見栄えはよくありませんでしたが(大枠のコンポーネントがFigmaにあったのはすごく助かりました)、当初目標の1ヶ月の段階で、一旦最後まで完成できたことはよかったです。ゴールはスライドの完成ではなく「採用候補者にGaudiyで働くことの理解を深めていただくこと」なので、ツールとして早く使い始められたのはよかった点。
🙅‍♀️反省点
・デザイナーを早めに巻き込むべきだった。
本来であれば、スライド作成に着手する段階で(もしかしたらストーリー設計の段階から)デザイナーをがっつり巻き込んで進めるべきだったなと思います。当時はリソースの余裕がなく仕方なかったですが、後から外部公開版を作り直した際に、早めにデザイナーに入ってもらったことでかなり進めやすくなりました。

4. カジュアル面談で使い回し、フィードバックを蓄積

ということで、Web公開は一旦ペンディングにして、2月後半からカジュアル面談用の資料として使い始めました。

ここでは、とにかく使ってみての改善点をフィードバックしてもらって、Web公開版に活かそうと考えました。

この頃には、カルチャーデックと並行して選考フローの改善も始めたので、面談ログを記載するNotionのテンプレートに「会社説明での気づき」を項目として設けてみました。(↓こんな感じで。)

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「事業説明に入るまでが長いかも」「メンバーの紹介もっと先にしたい」「説明する分には良いけど、説明なしだと理解できなさそう」など、さまざまなフィードバックをいただき、なにより自分が面談しまくっていたのでそこでの気づきも踏まえて、再度、改善方針を議論して固めていきました。

ここでのよかった点 / 反省点は以下になります。

🙆‍♀️よかった点
・面談→フィードバック収集の仕組みづくりをしたこと。
採用スライドはブラッシュアップし続けるものなので、面談ログのNotionテンプレートに、フィードバックの記述スペースを設けたのはよかったです。今後、内容のアップデートとともに刷新していくときにも、候補者の方の反応をふまえて改善していきたいと思います。

・非公開verで細かく言語化したこと。
非公開版の採用スライドはかなり文字数多く、説明書きがたくさんあったのですが、一度言語化したことでWeb公開版をつくる際のデザイナーとの連携がしやすくなりました。結果論ですが、ここからの学びとしてそれぞれのスライドで何を伝えたいかは細かく言語化できているといいなと思います。
🙅‍♀️反省点
・あまりメンバーを巻き込めなかった。
カジュアル面談をみんなで回して、それぞれのフィードバックを蓄積したいなと考えていましたが、開発が忙しかったこともあり、結局のところ使うメンバーが一部になってしまいました。資料があっても面談で話せるかと言われると難しい部分があるので、トーク例とかもあるといいなと思いました。

5. デザイナーの協力のもと、資料をブラッシュアップ

こうした改善を1ヶ月ほど回したのち、Web公開版として手直しするため、再度キックオフしたのは3月後半。4月入社の新しいデザイナーsumaさんを強力なメンバーに迎えて、資料を再設計して仕上げていきました。

この時期は、副業デザイナーの方にも手伝っていただき、総力戦に(笑)。

ここでは「採用面談以外でも使う場面が想定されるのか?(スライドの汎用性)」という視点であったり、「各スライドにおけるメインメッセージ / サブメッセージの明確化」であったり、デザイナーさんとのやり取りを通じて学ぶことが多かったです。

なるべく言葉をシンプルに、ワンスライド・ワンメッセージで、全体の情報の重複なく、視覚的に伝えるところはグラフィックで、スライドを1枚1枚仕上げていきました。そんなこんなで、なんとか3周年を迎える前日に完成…!

最後の振り返りも一応残しておきます。

🙆‍♀️よかった点
・最初から文字を削ぎ落とさず、一回洗い出した上でシンプル化できた。
非公開verと比べると、文字数は3分の1くらいになりました。最初から文字を削ぎ落とさずに、一回洗い出すというプロセスが大事だった気がします。
🙅‍♀️反省点
・最後までギリギリ運転
書くまでもないですが、Speaker Deckへのアップロードもあるので誤字脱字チェックなども含めて余裕を持ってやりたかった。笑(豆知識としては同じURLのまま新しいファイルのアップロードができるので、後からの修正は全然できます。)

6. 公開はnoteとともに

最後に、認知度のないスタートアップなので拡散もセットで考えたいところ。今回は補足したい情報も含めて、noteでチラ見せする形にしました。

(これで数万PVとかいってたら説得力あってよかったんですが、3週間で1,000ビューもいってません…。みなさんよければ見てみてください。笑

おわりに

プロジェクト開始が1月12日だったので、5月2日の公開までにおよそ4ヶ月。2月末まではフルコミでなかったとはいえ、予定より遅れすぎやろ…!と自分にツッコミを入れたくなりますね。ぜひ反面教師にしてください。

また最後に補足したいのは、代表石川さんの的確なフィードバックと、デザイナー陣のスペシャルサポートがあったからこそ、完成させることができました。デザインは偉大なり。本当にありがとうございました🙏

そして、ここまで読んでくださった方はもうお気付きかと思いますが、よかった点/反省点で挙げた点は、わりと「普通」だと思いますw

個人的には、もっといい方法あったら知りたかったー!という気持ちなので、他社さんはどうやって作っているのか知りたいです。Twitterでもnoteのコメントでもいいのでぜひ教えてください(笑)。

今後は2〜3ヶ月に1回くらいの頻度でアップデートしていけたらと思ってますので、フィードバックも大歓迎です!!!

これから情報公開してくださる企業さんが増えますように!おしまい

最後に求人だけ貼らせてください🙏

全方位、採用しております〜!!お気軽にぜひ。できたての資料でお待ちしてます!🙌

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やまもとはなか

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

書いてよかったです🙌
株式会社GaudiyでPR・HRまわりをやってます。前職では「SELECK(https://seleck.cc/)」というWebメディアの編集長をしていました。お酒好きだけど、3杯が致死量。noteはゆるゆる書いてますが、色んな人とつながれたらいいな。