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先日書いた傾聴ボランティアの記事で、「傾聴ボランティアは見立ての練習になるか」とのご質問がありました。

ボランティア先による、とお答えしました。私が行っていたグループホームは認知症の方が多かったので、話に一貫性がなかったり、ほんの少し前と真逆なことを言われたりします。それが認知症というものです。

以前は保育園での活動もありました。子育てや、仕事との両立の悩みなどを聴く時には、ある程度の見立てはできるかもしれません。ただ、傾聴ボランティアの約束事が「カウンセリングはしない」ですから、見立てたとしても自分の中だけです。


どうやって練習するか?

見立ての練習は、どこでもできます。

お悩み相談

メールカウンセリングの講座で使ったのは、読者の悩みに有名人が答えるという新聞のコーナーでした。著作権の関係でその場限りの使用でしたが、例えば「半年休職して復職したが、どうも周りとうまくやっていけない」というような、産業分野にありそうな内容を選んで下さったのだと思います。

その相談に対して自分で回答してみる、という演習でした。その時の講師によると「見立ての練習にはこれが一番」だそうです。

新聞の他、雑誌、ネット上の掲示板など、材料はどこにでもあります。Xはちょっと見立てるには字数が少ないでしょうが、noteでも「この人はこの状況の時にこう考えるから、負のスパイラルに嵌るんだな」などよくあります。

そこらの会話

大学の演習講師は「電車の中で寝るなんてもったいない!」と言いました。人間観察をせよ、と。

別に積極的に聞き耳を立てなくても、耳に入ってくる会話ってあるじゃないですか。電車でも、カフェでも、職場でも。断片的な情報でも、聞こえた部分だけで見立てをすることはできます。

個人差があるかもしれませんが、この見方をすると誰かの発言に対して決めつけることが減ったように思います。

「今の若い子ってすぐこういう考えになるよねー」とか
「この人ってこういう時にすぐ折れるな」とか。
それが「ふむふむ、その発言の背景には何があるんだろうな」に変わってきたのでしょう。これは人事業務にもとても役立ちました。

ドラマ、映画、小説、お芝居

楽しめなくなるからやめなよ、と言う人もいますが、私はこうしたものから見立てをするのも好きです。ちなみに、小さな言動や癖、小道具からサイコパスを探すのも好きです。

現代なら心療内科に行った方が良いのでは、と思うほどの恋わずらいをしている花魁には、まずなんと声をかけようかと思いながら歌舞伎を観たりもしています。

事例検討、逐語記録検討

一番練習になるのは、やはりこれでしょう。指導者もつきますし。

シニア産業カウンセラー育成講座の逐語検討は順を追って3講座あり、1でも軽く検討のグループワークはします。

2では3回以上のカウンセリングを行った一部の逐語記録と事例を受講者が持ち寄り、2日間で4事例を検討します。録音したカウンセリングを再生しながら逐語記録を読んでいくので、クライエントの言葉を直に聴くような臨場感を味わえます。その際、自分なりに見立てながら聴いて、検討の時には意見として発言します。

3ではこれがライブカウンセリングになります。講師とオブザーバーが見ている前でカウンセリングを行い、続いて事例検討をします。カウンセリング中の自分の見立てに対して、クライエント役が実際どうだったかも聴けるのは、なかなかないチャンスです。2日間で6事例を検討します。

思い込みでない見立てにするには?

根拠

クライエントの言葉を根拠に見立てること、です。自分の直観ではありません。一度、苦いグループワークを経験しました。

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