そもそも宝石とはなんぞや?
宝石(gemstone)の条件は
比類なき美しさ
希少価値
不変の耐久性
です。
その宝石のほとんどは鉱物(mineral)です。鉱物の定義は次の通りです。
例外として、オパール、オブシディアンとモルダバイトは結晶構造を持ちませんが、鉱物に含みます。
オパール:ガラス質で結晶構造ではない、堆積物
オブシディアンとモルダバイト:天然ガラスで、結晶構造を持たない
無機物質は生命活動に関係なく、有機物質は生命活動を行っていました。
鉱物ではありませんが、有機物質で宝石に含まれるものもあります。
真珠(パール)
珊瑚(コーラル)
象牙(アイボリー)
琥珀(アンバー)
ジェット(木の化石、大抵黒っぽい)も鑑別の中に入っていましたっけ。
ジェットは条痕でわかりますが、「ジェットかな?」と紙の上で黒いトルマリンやカルセドニーをこする人が後を絶たない、と先生が苦笑いしていました。カット石ではなくタンブルドか何かで、長年ピンセットで皆が持ったので表面がガジガジだったのですよね~。
お客様からお預かりした石だったら、条痕検査は破壊検査にあたるため、するにしてもお客様の了解を得て、裏側など目立たない場所で行います。
一般に、鉱物は3,500種あると言われていて、その中でも宝石は100種ほど。
そのうち、宝石店の店頭で見られるのは30種類ほどと言われています。
(※種のカウント方法には諸説あります)
ちなみに、GIAで用いていたジェム特性チャート表では、
Aチャート(比較的有名な宝石):51種
Bチャート(あまり見かけない宝石):63種
でした(天然石のみ、変種はカウントせず)。
この定義でいけば、いかに美しくても耐久性がなければ宝石と呼べませんし、いかに珍しくても美しくなければやはり宝石とは呼べないことになります。
実際は、美しくても硬度や靭性に劣るものや、稀少ですが美しいかなぁ……?と思うものも(失礼!)宝石として流通しています。まあ「美しさ」の判断は人によるので、なんとも言えないところではありますが……。
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