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クォーツ(水晶)の変種で、黄色いものを指します。和名は黄水晶です。
シトリンの由来はフランス語のシトロン、レモンです。

同じ11月の誕生石、トパーズと混同されることがあります。歴史的に、黄色い石がトパーズとされてきたためのようですが「シトリントパーズ」「トパーズクォーツ」等は誤称です。

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クォーツの他の色、アメシスト(2月の誕生石ですね)もそうですが、特徴的なものにカラーゾーニングがあります。裏返すとよくわかります。

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いわゆる色ムラです。右側の方が明るく見えます。
これはブルーサファイアにもよく見られますが、反射で表から見えなければ特に問題ありません。気にする人もいますが、加工してしまえば裏から見ることはまずありませんから……(私は見ますけどね)。

でも、こういう色ムラがあった方がカワイイと思ってしまいます。

シトリンは、アメシストを熱処理していることが多いのだとか。バイカラーで片方がアメシスト、もう片方がシトリンの”アメトリン”がありますが、シトリン側を熱処理しているようです。

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こちらはDandelion cut、つまりタンポポカットのシトリンです。

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横から見ると、ブーケのような形です。
フロスト加工のトップにはところどころ丸く磨いた窓があるので、窓を通してパビリオン(下側)のカットが放射状に見え、タンポポを束ねたみたいになります。

ツーソンのGem showで、北欧のカッターさんから買いました。直接カットした人から買えるのも醍醐味です。
このようなカットは探してもなかなか見つからないでしょうから、もう手持ちの現金も少なくなっていましたが即決しました(当時のツーソンは現金か小切手がメインでした)。

これはずっとルース(裸石)で持つ石だろうなと思いましたら、合いそうな枠を御徒町の問屋さんで見つけて、原型(*1)はあるというのでお願いしたのがこちら。

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問屋さんにあった見本はブルートパーズのバフトップで、地金はプラチナ、腕に一列にダイアが入っていたのですが、ちょうどプラチナが高い時だったのでホワイトゴールドで鋳造して、ダイアは上部のみにしました。

「私!この枠に合う石、持ってますっ!」
って、見つけた時は妙なテンションの人になってしまった日でした。私に慣れた担当さんで良かったのと、実際に石を持って行ったら納得されていました。

*1 原型をシルバー等で作っておくと、それを元にゴムで型を取って、そこにワックスを流して固まったワックス原型を鋳造すると、何度も同じものを作ることができます。地金を替えて同じ型を作れるのも便利です。

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