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ルビーは鉱物種コランダムのうち、赤色のものを指します。赤色以外のコランダムはサファイアと言います。

コランダムはAl2O3、酸化アルミニウムです。純粋だと無色ですが、微量のクロムが入ると赤色に、鉄が入ると青色になります。ですので、ルビーとサファイアの違いってほんの少しなのです。

本来なら鍋になっていたかもしれないアルミニウムが、大陸同士がドカ~ンとぶつかるような高温高圧の地中で、密かにルビーやサファイアを育む……ロマンじゃないですか?
(わかりやすいけど雑だよね、とよく言われる説明の数々)

"rubi"(スペイン語)はラテン語の"ruber"(赤色の意)に由来します。
King of Gems(宝石の王様)とも呼ばれます。

1.合成 vs 天然

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↑合成ルビー    と    ↑天然ルビー

鑑別の過程でルビーとわかったら、今度は天然か合成かの判別をしていきます。鑑別機関だったら、これが一番重要なところですものね。

合成ルビーもAl2O3、成分は同じです。屈折率や比重は同じなので、眼で「天然の証」か「合成の証」を探していくことになります。買い付けなど、外だったらルーペも使いますが、ラボだったら顕微鏡です。

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合成ルビーの製造方法はフレームフュージョン法やフラックス法等があり、これはフレームフュージョンです。無数の気泡は写真でも特に暗い部分によく見えるかと思いますが、気泡は天然ガラス(モルダバイト、オブシディアン)以外には入らないので、合成の証です。

そして、カーブドストライエと呼ばれるレコード盤のようにカーブした曲線が10倍ルーペでも見えます。写真の合成ルビーはわかりやすく沢山入っていますが、よくできた合成ルビーの場合は極小の点を気泡と認識したり、カーブドストライエのほんの一部をきちんと認識できるかがポイントになります。
※他の製法には、また別の鑑別特徴があります

2.血の色

伝統的に、最も美しい色は「ピジョン・ブラッド」と表現されます。
ピジョン=鳩、ブラッド=血です。なぜ鳩なのかしら……。

テキストにはビーフ・ブラッドという表現も載っています。
ビーフ=牛肉、ブラッド=血……また血です。ピジョン・ブラッドよりわずかに色調が暗いそうです。

「フランチ・カラー」または「チェリー」と呼ばれるものは、ピジョン・ブラッドよりわずかに色調が明るいそうです。

なぜか鳩の血が基準なのですね。鳩の血なんて見たことありません……。

3.シンプルなペンダントを3wayにする

これはルビーに限ったことではありませんが、プチネックレスや一粒石のシンプルなペンダントを違った感じに見せるアイテムがあります。

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片方がホワイトゴールドで、もう片方がイエローゴールドの枠が、磁石でつくようになっています。

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溝にチェーンを入れるような感じにセットして、磁力に任せて閉じます。
(ピンセットは撮影用に開いておくためです)
向きを変えると、雰囲気が変わります。

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これは比較的シンプルな枠ですが、もっと石がついたものや凝ったデザインのものだと本当に華やかになって、他のジュエリーのようになります。
ダイアモンドのプチネックや、小さめのパールペンダント等でも合いますので、一つあると何通りにも広がって便利ですね。

4.カード詐欺に遭う

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この2点はタイのバンコクで買いました。
まだ複写式のカード伝票を使っている宝石店で、どちらかが2,600バーツだったのに請求がきたら12,600バーツとなっていました。持っていた控えはしっかり2,600バーツだったのでカード会社に送って、一旦請求された金額は日本円で戻ってきました。

確認できたら再度請求があるとのことでしたが、何年経っても2,600バーツの請求はないので(もう時効)一番損したのは宝石店ですね~。値切った腹いせにやられたのかと思いましたが(でも相手が損するほどは値切っていませんし)私にとっては結果的におトクでした。

以上、ルビーを色々な方向から見てみました。
その2、面白ルビー編に続きます(多分)。

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