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魂が美しい友人の話

誕生日の朝、一つの荷物が届いた。

見慣れた文字、友人の字だ。

送り主は、中学時代からの親友、ユカからだった。

今日は彼女という人間について、あふれ出る想いをつづろうと思う。

私はユカほど、魂が美しい人を知らない、
いや、ユカは見た目もとっても美しいが。(ミスユニバースに出場するほどに)
神様が世の中に送りだした天界からの使者ではなかろうか、とおもってすらいる。こんなこと言うと、バカにされそうだけど、本気で。

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ユカと初めて出会ったのは、
中学校に入学してすぐ、渡り廊下だった。

別の小学校からきた人たちとは、まだあまり話せていない。
そんなときに、体育館から出てきたユカを見て、ひどく驚いた。

真っ白な肌、長い手足、170cmを超える身長、少し茶色い色素の薄い髪の毛と大きい目。

私は小学校の中では一番身長が高く、当時160㎝を超えていたが、自分より身長が高い女の子をみたことがなかったし、
なにより、こんな、美しい少女をみたことがなかった。

自分にはまだしらない世界がたくさんある。
そう思った。

2年生になるころに、だんだんと共通の友人を通じて仲良くなり、
仲良しのグループができ、その中にユカがいた。
ユカと二人で話すことはあまりなかったものの、少しずつユカのことを知って行った。

ユカはスポーツ万能で、見た目とは裏腹におてんば、ムードメーカー、涙もろくて、とっても優しい。めちゃくちゃ美人なのに、全然気取っていない。
私はというと万年文化部、本が好きで、当時は文字通り中二病をこじらせていたこともあり、ユカが陽なら私は陰。正反対だと思っていた。

そして3年生になり、仲良しグループの中で、ユカと二人、同じクラスになった。

そこで、いろんなことを話した。お互いの家族のこと、恋愛のこと、いままで生きていて感じてきたことたち。

ユカはいつも元気だったけど、それだけではない、ユカの奥底や、苦労していることも知った。

こんなに自分のことを誰かに話すことは初めてだったし、それを理解してくれることがうれしかった。

詳しくは思い出せないが、とても印象的だったことがある。

ある日、私が家族と喧嘩になり、家を飛び出した時、ユカが迎えに来てくれて、家に泊まらせてくれた。
その時に、泣いていて何も話さない私の髪をユカが乾かしてくれたのだった。

そして、高校、短大と私たちは同じ学校に通った。


バイトも同じところでした。
モデルとして呼ばれ、美容学校のショーに一緒に出たりもした。
不思議なのが、別に同じところに行こうとか、一緒にやろうとか、そんな風に決めてはなかった気がするが、偶然、同じ道を進んでいた。

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ユカは当時から、本当に愛の人だった。
人に愛を与えるのを惜しまない。本当に、あげられるだけのすべてをささげる。
それゆえに、自分を犠牲にしてしまうことがあり、
ユカの代わりに私が怒ったりしてしまうくらい、ユカは他人を第一に考える人だった。

就職は、別々になり、ユカは県外に行き、私は地元だったので、
あまり会わなくなった。

その間にお互いいろんなことがあった。

その後私が東京に行き、ユカは地元に戻ったりして、ますます会えなくなったが、年に数回帰省していたのでそのときに会っては、一緒に温泉に行ったり、ご飯を食べに行ったりした。ゆかが東京に来てくれたりもした。

帰省中は車がない私だったから、いつもユカが迎えに来てくれた。
うちの家族もみんなユカが大好きで、ユカが訪ねてくると、私より先に父が飛び出して出迎えるほどだった。

ユカは変わらない、いや、変わってはいる。年々進化している。
でも魂の美しさは変わらない。
魂が美しい人ほど生き辛いこの汚い世の中で、しっかりと生きている姿は、とっても美しく、そして儚い。

ゆかが他人のことを考えすぎるから、
友人が集まればみんなユカの話をする。
ユカが元気なのか、どうしているか、無理しすぎていないか、
好き勝手にユカの心配をし、みんなユカが大好きだった。

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今年の1月、日本がまだこんなことになるなんて夢にも思っていないとき、
ユカが東京に来た。
もっとも、遊びにではなく、仕事のためであったが。
そのとき、一泊私の家にとまった。

近所の銭湯に行き、久々に二人でお風呂に入った。
そのとき、ユカは私の髪を乾かしてくれた。
鮮明に、中学生のころの記憶がよみがえり、
あー、あれからもう10年以上もたっているのに、ここにユカがいてくれること、そして、生きてくれていること、一緒にお風呂にはいれることが、とても美しく尊く思えた。



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時がたち、まさかオリンピックイヤーのこの時期に世界中で緊急事態宣言が出ているなんて、
だれが想像しただろう。

仕事もできず、昼か夜かわからない、曜日感覚すらあいまいになっていたころ

4月19日、私の誕生日。

世の中はそれどころではないし、予定してた旅行も当然キャンセルになった。

昨日も深夜まで起きていたから、朝、宅配便のピンポンで目が覚めた。

抱えきれないくらいの、大きなダンボール、見慣れたユカの字。

中には、こんなにたくさんの贈り物がつまっていた。


ユカの大きな愛は、世界を救うのかもしれない。

本気でそう思う。

私は、ユカにこんな風に愛をもらう資格があるのかなあ

そんな風に思うこともある。

ユカにお礼の連絡をしようとLINEを立ち上げたら、ユカのアイコンが私とツーショットの写真になっていた。

ユカ、ありがとう。いつも迷惑かけてごめんね、これからも、おばあちゃんになっても、よろしくね。

なにこれ?結婚式のスピーチ?

お互いにまだ結婚しそうもないから、まあいっか。笑

愛しい親友 ユカへ

華枝より

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