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キリンジ好きは、八等分くらいまでは同じカテゴリだと思う

    記事のなかで、私が日常に触れている部分を見返すと、息子息子息子で夫の影が無さすぎるなぁとちょっと申し訳なく感じていたところ、「『あなたに聴かせたい歌があるんだ』がドラマ化」とのネットニュースが目に飛び込んできました。
    おお、これは夫について言及するチャンスじゃない?

    ここまで読んで、「お、『あな歌』知ってるの!    あれ、いいよね、特にあのシーンがさぁ、」と身を乗り出した方がいらっしゃったら、ごめんなさい、私、『あな歌』知らない。こんな『あな番』とか『アナ雪』みたいな略し方でいいのかも知らない。

    このニュースに食いついたのは、この後こう続くからなのです。「作中歌は、キリンジの『エイリアンズ』」。

1.キリンジが好きなんです

僕の短所をジョークにしても
眉をひそめないで

    ……この、唯一無二のセンスよ。

    キリンジ、好きなんです。新しいKIRINJIも聴かないでもないけど、やっぱり堀込兄弟の頃が好き。兄と弟で、書く歌詞は若干テイストは違うけど、二人ともセンスが凄まじくて、どの作品の歌詞も「表現の宝石箱や~」状態。息子二人ともこうなんだから、親御さんも歌詞書かせたら凄いんじゃないかしら?

    キリンジをご存知ない方、もし興味をもってくれたなら、とりあえず『エイリアンズ』、聴いてみてください。
    エイリアンズの静かな曲調が気に入ったなら、『Drifter』も好きなはず。もっとテンポのいいのがお好きなら、『君の胸に抱かれたい』(シュールなPVがまたいい)とか『ホライゾン!ホライゾン!』とか、『ニュータウン』の予想外な節回しも楽しいし、無邪気さに癒されたかったら『雨は毛布のように』、カオスなのがオッケーなら『牡牛座ラプソディ』(ゆるすぎるPVも癖になる)、シニカルなのに興味があれば『雨をみくびるな』、美しいのは『愛のCoda』、ときには渋く『アルカディア』(永遠と刹那のカフェ・オ・レ!)、そうそうもうすぐクリスマス『千年紀末に降る雪は』の季節じゃないですか!

    ……もっとあげたいけどこれくらいにしときます。

    ただこのアーティスト、知名度としてはそんなに高くないようです。なので私、好きなアーティストいる?    と訊かれたときは、「○○とか○○とか聴きます」と、メジャーなバンドをあげてクッションにしつつ、最後に「あとちょっとマイナーだけど、キリンジとかも好きなんですよー」と付け加えるようにしていました。

    そう言ってみても、返ってくるのは「○○かぁ。自分も聴くよ。え、キリンジ?    知らないなぁ。」という反応がほとんど。
    そんななか、

あー。キリンジいいよね。『悪玉』とか好き。

    さらりとこう返してきた人。
    それが今の夫です。

2.○等分に分けても同じカテゴリにいる

    思うに、キリンジファン。これは、日本人を八等分くらい分類してみても全員同じカテゴリにいるんじゃないかと。いや、十等分くらいまで耐えられるかも?
    (夫は私と同じカテゴリにいるとか言われると嫌がりそうだけど……)

     この「日本人を○等分に分けても同じカテゴリにいる」というのは、昔なんとなく見ていたバラエティで、芸能人が自分と同じ匂いのする相手を説明するときに使っていた表現です。上手いこと言うなぁと感心して、それから私もちょいちょい使わせてもらっています。(こんな便利な表現をいただいたというのに、その芸能人が誰かは忘れました……)

    この表現、だいぶ汎用性があります。

    ナイロン100°cが好きな人は、

    週刊映画時評ムービーウォッチメンが好きな人は、

    古畑任三郎の石黒賢回ラストの哀しさが頭にこびりついて離れない人は、

    日本人を八等分しても私と同じカテゴリにいます。

    あ、嫌そうな顔しないでっ!

    ちなみに夫は上記3つはおろか、キリンジ以降たいして共有するものがなく、母に「あんた達ことごとく好み違うけどなんで結婚したのよ」と呆れられるほど。どうしたものかと思っていましたが、先日、中島敦が好きという、六等分くらいまでなら耐えられそうな共有ポイントを発見したので少し安心しました。

3.「これに反応したのあなたが初めて」

    こういう話をすると思い出すのが、『臨死!江古田ちゃん』に出てくる「これに反応したのあなたが初めて」のエピソード。
    知る人ぞ知る何かのグッズをさりげなく身につけて、「あ、これって○○のですよね!    私も好きなんですー!」という反応に、「これに反応したのあなたが初めて」とにんまり返す、という話なのですが、同志を探す、なかなか賢い方法です。

     そういえば先日、LeSportsacとポケモンのコラボ商品のトートバッグ、凄くかわいいの見つけたんです。
ーー30代……ポケモン柄、許されるか??
ーー「子どもが好きなんですー」て顔してればいいじゃん。
ーー子ども、0歳だけど。
ーー……そもそもねぇ、好きなものは好きなんじゃい、身につけて何が悪い!

    こんな脳内会議の末、思いきって購入しました。それ以降、子育て支援センターはポケモンバッグ持参でお邪魔してたんですが、このバッグのおかげで、初対面のお母さんとポケモン話で盛り上がるという嬉しい出来事が。ポケモンなんてメジャーコンテンツ、2等分くらいしか耐えられないと思うけど、つまりはこういうことかな。

    でも、例としてあげるなら、もっとマイナーなグッズがいいですよね。
    ……そういえばこの前、手鏡が壊れたとこぼしていた夫に、大阪で開催されたSIREN展で購入きたきり使ってなかったSIREN手鏡をあげました。
    SIREN、好きなんですよ。原則逃げ回るしかない絶対的弱者なプレイスタイルや、難解で救われないストーリー、プレステ2独特の粗さの実写表現、そして攻略情報無しでクリア出来るわけない鬼難易度。なかなかない魅力をもったゲームだと思います。

    ……SIREN、夫は全くやらないんだけどね(怖いの苦手)。
    夫、会社で「あ、これってSIRENのですよね!    私も好きなんですー!」て声かけられたそのときは……相手を失望させないように、頑張るんだぞ。



    


    

    

    

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