BUTTER
オススメされて手に取った柚木麻子さんの「BUTTER」。実際の事件をベースにした小説ということでどんな展開になるかと読み進めると、自分の年代にグサグサ刺さる内容だった。そして読ませる文章。最後はもう一気に読んでしまいたくて、寝不足覚悟で深夜三時、ページをめくり続けた。
完璧な大黒柱なんて母も里佳も求めていなかったのに。中学は私立でなくても良かった。母も働く気は十分にあった。家族に向き合ってくれる父でいてくれれば、それでよかったのに。
「分離するから。続けて。止めないで」
私は一体全体、何を成し遂げたいんだろう。何をできたら今の自分に合格点を出せるのだろう。もうとうに、両親のせいにはできない年齢になっていた。
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