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いいからとにかく私に菅田将暉を語らせろ。

俳優、菅田将暉
大阪府箕面市出身。1993年2月21日生まれの現在28歳。身長176cm。B型。

私たちはどうして彼にこんなにも魅了されてしまうのか。
映像系俳優オタクをしていると、推しでなくてもきっと幾度となく目に入り、そして気になってたまらない存在になるのが菅田将暉だと思う。
私の二大推しは千葉雄大間宮祥太朗なんだけど、彼らを追っている中で何度も菅田くんは現れた。そして私の目を奪っていった。

音声配信をしていて、ついつい彼の出演作は話したいネタとして選定してしまう。この1年間で何作話しただろう。
実は今までで一番反響が高い回も菅田将暉出演作の話だった。

そんな私に、菅田将暉オタクの友達から「こんな企画があるからnote書いてよ!」と連絡が来た。

そんなの書くじゃん。書きますよ。というのが前置きです。

菅田将暉は「持っている」

菅田くんといえば、2009年に放送された『仮面ライダーW』のフィリップ役でTVドラマ初出演・初主演を果たした、というのはファンでなくても結構知っている話ではないだろうか。

松坂桃李、中村倫也、杉野遥亮、木村佳乃、佐々木希、杏、趣里、堀田茜などを擁する、少数精鋭感の強い芸能事務所トップコートに所属している菅田くん。
しかし、実は最初は大手芸能事務所アミューズにスカウトされていたりする。そこで2007年に行われた「アミューズ30周年記念オーディション」に参加してファイナリストに残るものの落選。その後「第21回ジュノンスーパーボーイコンテスト(2008年)」に参加し、こちらもファイナリストまで残るものの受賞は無し。しかし、このコンテストがきっかけでトップコートと契約することになった。
余談だけど、ジュノンスーパーボーイコンテストって、受賞せずにファイナリストに残った人たちも結構俳優として大成してたりするので、俳優オタクとしては見逃せないコンテストだったりする。

トップコートへの所属が決まった後、デビュー前に東映に挨拶に行ったら次の日が仮面ライダーWの最終オーディションだったらしく、誘われて参加したら満場一致でフィリップ役に決まったというエピソードが私は菅田くんの持っているエピソードの中で一番好き。
このエピソードは何度聞いてもすごい。タイミングの良さと実力で全てをねじ伏せていくスタイル。

そして、菅田くんといえば歌手のイメージもきっと強い人が多いはず。
映画やドラマでの受賞歴も華々しいけど、日本レコード大賞特別賞の受賞経験がある俳優なんてなかなか居ない。

実は菅田くんがギターに触れたのはドラマがきっかけだった。2015年にNHKで放送された、さだまさしさんの自伝的小説を基にした『ちゃんぽん食べたか』で主演するにあたってギターを始めたらしい。
間宮祥太朗出演作かつ、同郷のさだまさしさんのお話ということで観たら「あれ?菅田将暉ギター弾けるんだ?」と思ったのを覚えている。これがきっかけだったと知ってびっくりした。

ちゃんぽん食べたかでのギター経験がきっかけとなり『さんまのまんま』でギターを披露したらレコード会社の目に留まり歌手デビュー……なんてことになったんだとか。

デビューから仮面ライダーの経緯といい、歌手デビューの経緯といい、菅田将暉は「持っている」と私は思っている。

「持っている」を「活かせる」技量

ただラッキーで「持っている」だけじゃないのが、私がついつい菅田くんを見てしまう理由かもしれない。

近年注目されている若手俳優の呼称で華の93年組なんていう言葉がある。
ドラマ「コントが始まる」も菅田くんをはじめ、メインキャストは93年生まれだったし、最近のドラマや映画を観ていると1993(平成5)年生まれの活躍が華々しい。
そんな中で先陣を切って走る存在が菅田将暉ではないだろうか。

押しも押されぬスーパースターになるには、ラッキーだけじゃ足りない。確実にそれを裏打ちする技量が必要になってくる。
そんな技量が確実に菅田くんにはあると思っている。

表現者としての菅田将暉:①演技の幅がすごい

なんて陳腐な見出しをつけてしまったんだろう…。
でも、まずはこの振り幅の大きさという面から菅田くんの演技の好きな所を話したかった。

私が菅田くんを初めて見たのは仮面ライダーWだった。そして、生で菅田くんの演技を初めて見たのは舞台『タンブリングVol2』だった。
スーパーヒーロータイムでゴセイジャーと連続していた時期があったり、タンブリングで共演していたりして、最推しである千葉雄大くんを追いかける過程の中で、実は私はかなり初期から菅田くんの演技を見ている。

その中で次第に感じていたのは、菅田くんが繊細な演技をするというイメージ。演技経験の浅さを感じさせない細かい演技が、デビュー間もない頃からあったと思う。

その後、私は映画『共喰い』で菅田将暉にビビらされた。

性行為中に女性に暴力を振るう父の血を憎む少年、という役柄を演じていた菅田くん。
根本的にはとても優しい、少年性を持ったキャラクターなのだが、ふとした瞬間父親と同じような暴力性を孕んだ行動を起こす。その時の目がすごい。

映画『ディストラクション・ベイビーズ』でも狂気を孕んだ役柄に挑戦している。

菅田将暉の二面性の演技は本当にすごいと思っている。オンオフが切り替わった時の目にぞくぞくする。
『そこのみにて光り輝く』『闇金ウシジマくんPart2』や、最近のドラマだと『3年A組-今から皆さんは、人質です-』『MIU404』あたりも、このぞくぞくする演技を堪能することができる。
私は墜ちていく菅田将暉を観るのが好きだ。……変な性癖みたいだけど。

この二面性、菅田くん自身が自分の顔の左右非対称性を利用して演じているというのをバラエティーで話しているのを聞いて、余計に好きになった。
柔和な演技の時は柔らかく見える側の顔を多めに見せ、強く見せたい演技の時はきつく見える側の顔を見せる。
それを知ってから彼の身のこなしを見ていると、まんまとしてやられてしまっているなということに気付いたりもした。役者としてかっこよすぎないか。

表現者としての菅田将暉:②コメディーへの対応力の高さ

ここまでシリアス作品についてばかり触れてきたけれど、もちろん菅田くんはコメディー作品にも多数出演している。

これはもう私の人生において一番観ている映画『帝一の國』の話をしないわけにはいかないだろう。

黙ってまずは本編を観て欲しい。大体どこのサブスクでも配信されているし、地上波でも2回放送された作品だからきっと観た事がある人も多いかもしれないけど、とにかく観て欲しい。話はそれからだ。

帝一の國は、完全なコメディー作品というわけではない。高校生の政権闘争をめぐる人間関係が、本人たちがあまりにも大真面目であるがゆえに笑えてくるのだ。
その主人公で、総理大臣になりたいという大きな野望を抱いた主人公・帝一を菅田くんが演じている。

帝一の國は漫画が原作の映画だが、キャスト全員が本当に紙の中から抜け出てきたのかと思うくらいビジュアルの再現度が高い
その中でも菅田くんはすごい。メイキングではトレードマークのぴちっとした七三分けの分け目数ミリにさえも、原作の絵と自分を見比べてしっかりこだわっていた。

帝一は、野心家で、熱くて、強くて、弱くて、秀才なのに人間味が強い。自信満々で胸を張ったようなシーンもあれば、もう駄目だとひきこもってしまうシーンもあるし、子供のように泣きじゃくるシーンもある。
その全てが笑えるくらいに大真面目に真面目で、なおかつ菅田くんの絶妙な顔芸を絡めることによって、コメディーとしての面がぐっと強くなっている。にもかかわらず、笑えるのにグッとくるシーンも存在するのがすごい。「帝一」という人間に説得力を持たせている
これは菅田くんの演技力と、千変万化のビジュアルがなせる業。

帝一の國と似た雰囲気を感じられるのは、ドラマ「民王」ではないだろうか。
少し違う雰囲気で、大げさなボディーランゲージなくクスっと笑わせてくれる「セトウツミ」みたいな作品にも、菅田将暉はしっくり馴染んでくれる。
「セトウツミ」と「火花」は、かけあいの妙が楽しい作品でもあるけれど、ここはきっと彼自身の関西出身の血がそうさせているのではないかと思ったり思わなかったり。

表現者としての菅田将暉:③自然体の男の子が見える

映画『花束みたいな恋をした』をはじめ、菅田くんが演じる役柄に親近感に似たものを感じる理由は自然体の男子を演じるのが上手いからかもしれないと思っている。

『糸』『生きてるだけで、愛』では無償の愛を注いでくれる、ただひたすらに隣に居てくれそうな男の子の雰囲気を菅田くんから感じた。
『花束みたいな恋をした』でもそうだったけれど、菅田くんが演じる自然体の男の子は、私たちの日常のどこかに居そうだと思わせてくれるのだ。

ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』『dele』の菅田くんも、浮世離れした役柄なのに何故か体温を感じる。
すぐそこに居そう、というリアリティを感じられるという体験をするのはドラマや映画を観ていてそう多くあることではないと私は思っているので、ここに関しても菅田将暉はすごい。

かと思えば、映画『海月姫』の女装男子や『溺れるナイフ』の神々しささえ感じるビジュアルなど、少女漫画の王子様的なポジションもさらっとこなしてくる。
泥臭い役柄からきらきら光るような役柄まで、菅田将暉の振り幅はとんでもない。

表現者としての菅田将暉:④粒立った声は武器

菅田くんの声は聞き取りやすい。
声の好き嫌いは個人差があると思うので「いい声」っていうのはとても定義が難しいものだと思うけれど、菅田将暉は「魅力のある声」だと私は思っている。
奥で少し空気が抜ける感じのハスキーさがありつつ、芯が強くてはっきりしている。耳に入りやすいんじゃないかと感じる声だ。

まあこの声の魅力も黙って帝一の國を観て欲しい。どれだけ帝一の國をゴリ押しするんだと思われるかもしれないけど、とにかく帝一の國を観てくれ。

おわかりいただけただろうか。政見放送時の帝一の力強い声。一音一音が粒立ってしっかり耳に届く。この特徴は菅田くんの武器だ。

大声を張り上げるような役柄ではないけれど、軍人を演じた『アルキメデスの大戦』でもこの特徴を感じ取ることが出来る。

ラジオをしていたり、歌手として活動していたり、単純に俳優として以外にも声を使った活動をしているからこそ、この特徴的な声は武器になっている。
強くて芯があるんだけど、威圧感は無く聞き取りやすい。なんだか不思議に心地良い声だなという印象を、菅田くんの声からは受ける。

とにかく菅田将暉を観ておけば間違いない

長々書いてきたけれど、私が常々思っているのは菅田将暉出演作は間違いないということだ。

菅田くんが出ていると何となく気になって観てしまう。菅田くんが出ているときっと間違いないだろうと思ってしまう。この感情は何なんだろう。
28歳を迎えた今年も、ドラマ『コントが始まる』映画『キャラクター』『キネマの神様』『CUBE』と菅田将暉が出るから観なきゃいけないと謎の使命感に駆られる、そんな作品が続く。

大好きな野田洋次郎ともコラボしてくれちゃって、そんなの見ないわけにはいかないじゃないか。ずるいぞ菅田将暉。
これを書いている時点でまだ『キネマの神様』を観るために劇場に足を運べていないんだけど、近いうちに観に行こうと思っている楽しみな作品。こんどは私にどんな感情をくれるんだろう。

これからも菅田将暉に間違いなしと思わせて欲しい。活躍の場をもっともっと広げていくだろう、そんな菅田くんから私は目を離さない。

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