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奈良県、総本山長谷寺

きっかけは地図だった。

もともと京都が好きで、旅行前には地図アプリを開いて、今回はここへ行こうとマークをつけるのが恒例となっていた。

よしよし、今回も良い旅になりそうだ。そう思って地図を閉じようとしたとき、ふと端のほうに見慣れないものを捉えた。

それは古墳だった。前方後円墳、かつてよく授業で聞いたやつだ。
えぇ、こんなにもたくさんあるのか。地図上には大小さまざまな古墳が並んでいて、それを見ているうちに、奈良県もなかなか面白そうだぞ…と思い始めたのが数年前。

そこから、京都旅行のうち1日を費やして奈良へも行くようになった。
はじめは有名な奈良公園や平城京跡へ行き、修学旅行を思い出すなぁなんて歩いていたのだが、そうこうしているうちに、マイナーな寺社仏閣を見つけ出したいという欲求が止まらなくなったので、奈良が大好きな知り合いにおすすめを聞いて回った。

そして昨年12月、はじめての長谷寺へ行くことになる。

長谷駅から歩く

駅から歩いて15分ほどだと言うので、天気も良いし歩くことにする。

長谷駅を降りると、目の前には階段が。ジブリっぽい雰囲気にワクワクしながら初めての道を歩く。

長谷寺へ向かっていると思われる人は、わたしのほかに1組だけ。
人気も少ない住宅街を抜けると、お土産屋さんの立ち並ぶ通りへ。

こちらも人通りはほとんどない。だがそれがまた良い。静かなところが好きなわたしは、うきうきが止まらない。

いざ長谷寺へ

15分ほどで、長谷寺の入り口に着いた。

天気が良くて嬉しい。
この前日まで、紅葉まつりなるものをやっていたようだが、それが終わったからか参拝客も少なく、これは当たりだとさらに喜んだ。

立派な仁王門。美しい。

有名な登廊。
提灯の修理をしていて、無人の時間はなかったけれど、それでもシャッターを切る手が止まらない。

紅葉もまだ残っていた。この時点ですでに、来てよかった、と思っている。
この長い長い登廊を登り切ると、待っているのが本堂で、

そう、これが見たかった。
床へのリフレクションと大きな提灯と観音様のシルエット。
無我夢中でシャッターを切る。幸いなことに、この日はわたし以外にカメラを持った人もおらず(そもそも参拝客も数人程度)、30分近く本堂にいた。

なんて美しい景色なのだろう。
なんて心洗われる光景なのだろう。

晴れていてよかった、ここを教えてもらってよかった。心の底から満足のため息をついた。

本堂から眺める景色も最高だ。
散ってしまったところもあったが、それでも絶景であることには変わりない。

本堂を出ても、見るものが尽きない。
どこを見ても美しい。数歩進むごとに、新しい発見がある。

この日は心ゆくまで撮影して、歩いて、ひとりだったが数時間滞在した。

帰りは電車が来るまでレトロな駅を撮影。

絶対にまた来る、と決意して帰路へついた。

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