He ♡ SNOOPY

基本的に毎週土曜日は義実家へ行って彼のご家族と夕食を食べるのが日課になっていた。
半ば強制的に。笑
そして大概深夜まで帰れないという、嫁にとっては地獄のような日課。

そんなある日の土曜日。

いつものように皆で夕飯を食べて、深夜コースに向けてティータイムに入ったところで義母が突然スヌーピーのぬいぐるみの話を持ち出してきた。

どうやらそのぬいぐるみというのは夫が3歳だか5歳だかの頃によく遊んでいたという代物らしく、そのぬいぐるみをまだ保管してるけどどうする?という話だった。

!???????

まず40年以上も前のぬいぐるみを取ってあることにも驚いたが、どうする?ってなんぞや?

と、全くもって思考回路が追いついていない嫁を横目に夫は「それなら家に持って帰るよ」と嬉しそうに回答している。

え、持って帰るの?

そんなことを思っている間に、義母が例のそれを持ってきた。

ん?待って…
2匹いる!!!!!!

1匹でも驚くのに2匹!?
いや、そもそも匹という単位が合っているのかも分からないけど。

当たり前だけど40うん年分の埃を被ったスヌーピー達の毛色はうっすら汚れ、首は今にももげそうになっている。

義母から「洗うなら丁寧に洗ってあげて」と言われたので思わず「はい」と答えたが、この意味の分からない状況はなんなんだ?
人は自分の価値観の範疇を超えると、どうやら軽いパニックを起こすらしい。

明らかに自分の価値観では考えられないやりとりが目の前でなされている状況に、全くもって付いていけなかった。

結局、訳の分からないままスヌーピー2匹を引き取って自宅に帰ってきた。

私の元夫は義母そっくりで、なんでも取っておくタイプの人間なのでこの子達を置くスペースなんてほぼ残っていない。
(因みに彼は、大学時代にアルバイトをしていた居酒屋のメニューまで後生大事に保管している)

どこに置くんだろうと見守っていると、迷わず2人掛けソファーの半分に置き出した。

なるほど。
こいつ、私の存在忘れてんな。

私の実家ではビーグル犬を飼っていたこともありスヌーピーが大好きだったが、この出来事と元夫の顔がスヌーピーに似ていたことも相まって今ではあまり好きではなくなってしまった。
ごめんよ、SNOOPY…

そんなこんなで、小脇にスヌーピー2匹を抱えてテレビを観る男の姿は今思い返してもゾッとするものがある。

けど、アラフィフのおじさんが思い出のぬいぐるみと共に楽しそうにテレビを観る姿…
見る人によってはたまらなく愛おしい構図なのかもしれない。(補足:彼は実家にいる時だけ突発的に赤ちゃん言葉を発することがある笑)

可愛いと思うか
気持ち悪いと思うか

私はもちろん後者であります。笑

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