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「三体」を読み終えて広がってゆく宇宙

こんにちは。

劉慈欣先生の長編SF「三体」を先日読み終わりました。長編とのこともあって、通勤時間や秋の夜長を悠長に使い満喫しました。最終話はの、時を超えた再開などは、感無量で涙がほろり。

中国作家とのことで、宗教観や哲学が日本人の私たちと似ている箇所があり、西洋文学にはない読書体験です。隣国でありますが、大学で学んだ第二外国語はフランス語でして、中国について勉強する期間はほとんどありませんでした。しかし、「三体」を読み終え、遠い国のように感じていた中国に大変興味が湧いてきました。
来年は、言語学習の時間を作りたいと思っていますので、中国語も少しずつ始めたいと思います。


さて、印象的な場面が多くあります。その一つを紹介を。
後世のため、膨大なデータを保存するため方法を模索します。量子メディア。量子メディアならば、果てしない数の情報を保存可能です。しかし、その情報でも未来永劫ではない。
そこで、あらゆる策を模索し、岩に刻む、との方法が取られました。洞窟の中にある岩に情報を刻むことにより、永劫に近い期間、大事な情報を残すことができます。

この挿話はとても気に入っています。

僕らの住む世界には多くの碑文があり、古代人は「量子メディア」に勝る「岩に刻む」という選択をとり、我々に歴史を残してきました。原始的な方法です・・・。いやいや、これは原始的ではなく、最新鋭であり、この宇宙唯一無二の後世に伝達する術なのかも知れません。


とても面白く、哲学的である「三体」の長編SF、おすすめ本です。

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花子出版    倉岡


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