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⑧ 美味しいものを食べながら痩せる

 さて、「食生活の改善」である。
  倒れる前、自分なりにちゃんとした食生活を送っていたつもりだった。でも、この「自分なり」という判断が、甘かった。野菜も好きだから、バランスのよい食事をしていると思い込んでいた。
 けれど結果的に、高血圧を悪化させ、二型糖尿病を発症して、心不全で死にかけた。

  最初に高血圧で糖尿病だと告げられたときは、もうこれから先の人生、味のないものしか食べられないのか……と、落ち込んだ。塩分も糖分もない食事……味のない野菜をぼりぼり食べる虫みたいな食事しかしてはいけないのか……生きてて楽しくない。
 けれどいざ前に出された減塩糖分控えめの病院食が、悪くなかった。生姜や柚子などがきかせてあるからだ。朝ごはんのパンも、減塩のものだったけれど、そのままで食べても甘味があり、美味しかった。
 入院中はストレスと不安だらけだったので、食べ物だけが楽しみだった。

  退院後の食生活を考えたときに、最初の頃は料理を作る気力体力が無さそうなのもあって、一日一食は冷凍弁当にしようと決めた。それを告げると、病院の栄養士さんがパンフレットを持ってきてくれた。糖尿病食、減塩食、そして噛む力がない人のための食事など、種類も多い。バリエーションもたくさんあった。値段も一食500円ぐらいで、外食することを考えると、高くはない。

 退院して、冷凍の減塩食をお昼に食べる生活がはじまったら、総菜が数種類あるし、味も悪くなかった。様々なメーカーのものを試してみたり、3ヶ月ほどは冷凍弁当は昼食にしていた。和食、中華、洋食と、いろんなメニューを楽しんだ。

 朝ごはんは、最初は完全食のBASEパンや、ローソンのブランパンを食べることが多かった。けれど、自分はそんなにパンが好きでもないなということに気づく。

 結局、今現在の朝食は、低糖シリアル&オートミールに豆乳をかけたものと、ブロッコリーと人参とゆで卵、そしてヨーグルトだ。ブロッコリーは冷凍のものを購入して、常備している。にんじんはスーパーで買って、適当な大きさに切って、レンジでチンして覚まして、それを冷凍している。ゆで卵は3日に一度ほど、まとめて茹でて、冷蔵庫に置いている。主に電子レンジで温めるだけなので、手間はかからない。一時期は、プチトマトも食べていたが、トマトはあまり日持ちがせず、まめにスーパーに行くのもめんどうなので止めた。
 低糖シリアルとオートミールの配分は、7:3ぐらいか。
 そしてその前に、あさイチは白湯を飲んで、豆乳にとかしたプロテインも飲む。
 プロテインは、以前飲んでいた際は、不味くで続かったのだが、いろいろ探して、「タンパクオトメ」が、種類も多く、何より美味しいので、続けている。
  食事のあとは、緑茶を飲んで、薬を飲んで終了だ。

 と、朝食をこんな感じに固定させたら、お昼、あまりお腹が空かなくなったので、冷凍弁当は今は食べていない。代わりにバナナや、カカオ入れた豆乳などを流し込む。ただ生理前などは、空腹感強いので、ちゃんと食べる場合もある。
 そして午後過ぎから運動して、スーパー行ったりして、食事を作る。昼を食べないので、夕方になるとお腹が減って、夕食は17時前になることもあり、かなり早めだが、半断食状態になっているから、ちょうどいい。でも、そのおかげで、朝起きた際にお腹が減って、朝ご飯が美味しい。家にいるときは、だいたいこんな感じだ。

 

病院食は、意外に美味しかった。

 ちなみに私は夫とふたり暮らしだが、お互いフリーランスのものを書く仕事で、それぞれのペースがあるので、食事を一緒に食べることは、滅多にない。
 夫は料理が下手というか、すさまじくセンスがない人なので、料理は私の担当だ。洗濯は夫がやってくれる。掃除はお互い苦手なので、家は散らかっていて人を呼べないが、あまり問題はない。
 一緒に食べないので、白米は私が鍋で炊いて、一食づつラップに包み、冷凍庫に入れている。食べたいときに、食べるぶんだけ、レンジでチンする。
総菜も、「温めるだけ」「炒めるだけ」で食べられるように、ある程度の量をタッパーに入れて冷蔵庫に保存している。
 だからちゃんと料理をするのは、だいたい週に2度か3度ぐらいだ。
 私は料理が嫌いじゃないけれど、毎日、毎食なんて、作っていられない。それに、外食、他人の作ったものを食べるのが大好きだから、週に2度ほとは外で食べる。

  入院中に、病院食が思ったよりも美味しいのもあり、鬱々と不安な状態で、食事だけが楽しみだった。
 食という楽しみを奪われるなんて、死んだほうがマシだぐらいに、思っている。

  美味しいものだけを食べて、痩せる大作戦。

 次回は、外食について書く。



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