カバーはそろそろきっちり掃除すべき

※公開時のタイトルが誤解を招く表記でしたので訂正しました。

久しぶりにキーボードを叩きます。

6月も始まったばかりで、もう夏を感じるレベル。
ついこの前まで寒かったやん、と思いながらも、来るものは仕方ない。お迎えしましょう。
ただ、昨今は異常気象と呼ばれる天候がガンガン来るので、天気、気温以外にも、その場所が安全なのか、何かあった場合にどう行動すれば良いのか、頭の隅に置いておくことで、不意に襲い来る天災から命を守ることに繋がりますので。
例えば、洪水なんかでも膝上まで水が来ると行動できない、ということを知っておけば、膝上に水が迫るまでに、その場所から高い場所へ避難するとか選択肢が出来るわけですな。
「東京防災」とかいう災害時ハンドブックがいろいろまとまっているので、一度見てみるのも良いと思います。
自然というのは、自分が考えるよりも圧倒的な力で以て、人の命を簡単に持っていくものです。
時に、南海トラフや首都直下型地震なども、もうそろそろかと言われるくらいなので、備えておくには悪いことではないです。






さて。
Vtuber界隈で残る巨塔も数える程度になってきましたが、神運営…は言い過ぎか。
まともな運営として名を馳せていたホロライブが、ついに傾きましたな。
いやー。常闇トワの事変から、夜空メルも社内ストーキング、桐生ココの母ココ問題、著作権問題と。
急激に成長しすぎる企業は、すべからく躓くものなのだなと、改めて考えさせられる一件でした。

で。
問題なのは、信者とアンチと普通のファンで反応が分かれるところ。
コロナの自粛のせいか、随分とストレスが溜まってたんだなという爆発っぷりに、個人的には苦笑いしているのがホントのところ。

まずは、やらかしたホロライブの対応。
某っとらいぶでお茶濁し声明を出したのとは反対に、それなりに情報を公開して、とりあえず謝ったことは、この界隈では褒められる部分かと。
やっちまったことは小さいことではないので偉いもなにもないわけで、未だ許されないアイドル部のことを思えば、よく喋ったな、と思うわけです。

ただ、一番の問題は「たった1日でも所属タレントの放送を止めなかった」ということ。
著作権に関わらない放送なら良いだろうとは思うものの、常闇トワ以前にも、ホロライブ内のマネージメント構造には所属タレント側から疑義が出されていたわけです。
その最中で夜空メルに対する所属社員によるストーキング行為を経て、カバー全体としての著作権問題に発展したわけで、見てる側からすれば社内体制そのものが疑わしいわけ。
つまり、事は信用問題に発展していて、やることなすこと「すべてが疑わしい」状態にあるのです。

こんな状態で例えなんの影響も受けない放送をしたところで、アンチは当然の如く「粗」を探すし、信者は過剰に反応して防衛線を構築するので、結果、対立を煽るような形に。
こうなると「楽しいから見てる」だけの一般視聴者にとっては、とても居づらい空気が形成される結果に繋がります。
ツイッターもつべのコメント欄も荒れるので、楽しもうにも雑音が多ければ、集中して見れるわけもなく。
この辺の流れはアイドル部を見て頂ければ、実によく分かる。
所属アイドルの登録者数が軒並みガツンと減ったのは、そういうところからやぞ。

そもそも、カバーの声明として「すべてもう一度確認する」と言っている以上、何もかもをチェックする必要があるわけですよ。
既存の許諾済みのコンテンツであっても、確認したところで許可が出るとわかっているものであったとしても、再度チェックすると言ったのだから、チェックする必要があるのです。
故にそんな簡単にクリアできる問題でないはずなんです。
状況が状況なだけに、実際に公開する必要がなくとも、口頭許可だけでなく、まかりなりにも株式会社を名乗っているのだから、電子書面なり、紙媒体の書類なりして「形」にする必要があるわけで、一般常識的に照らし合わせても、吉野家の牛丼ばりにすぐ対応出来るはずはないと思いますが、いかがでしょうか?

加えて、この自体を招いた根底の原因である「暗黙の許諾」、いわゆるグレーゾーンであることをわかっていて、それを拡大解釈して利用してきたことを自白しているので、この時点で対外許諾だけでなく、コンプライアンスも含めた社内すべての確認が必要になるはず。
「許可を下す者」がそんな認識で職務に臨んでいたのであれば、教育して改善するよりも担当から外すことは当然であって、担当が居なくなれば変わりの人員を配置する必要が出るわけですよね。
それを全業務を止めずに出来るほどの人材と社内体制が整っているとは、これまでの件からあるはずもなく、通常営業を続けているのは、社内体制の見直しなんか期待できないということですな。
見たことないですか?
不祥事を起こした会社の役員は、大抵退陣を迫られるもんですよ。
株主とかじゃないんで、要求はできないし、言いたいことは勝手に言うだけですが。

法務部が(あるかどうかは知らんけど)対応していたのか、事業部が対応していたのか、どこの誰がやっていたのかは知らないけども、グレーゾーンでクリアできると、それなりの立場の連中が考えない限り、マネジメント上、著作権を始めとした権利問題は避けて通れるわけもなく、まぁ、確信犯と言われても仕方ない。
反面、自分たちの持つ「権利」は守るための行動はしているのだろうから「知らんかったわ」というのは、あまりに頭が悪い回答になる。

ましてや、ここに至る直前に桐生ココの無許可引用事件があったので、当時の段階で誰か一人でも「あ、やべぇことになってきたわ」と想像した人間は一人でも居なかったのか。
カバーのコンプライアンス精神はその程度のものだったのか。
だったらやらかすわな。
それとも「やべぇよ…やべぇよ…」と部屋の隅でガタブルしていた社員でも居たのか。
なんにせよ、このご時世においては「コンプライアンスの欠如」のひとことでヴァッサリですわ。

今は「許諾を受けて収益化してます」なんて注意書きを書かせているようですけども、アンチからすれば「ホントでござるかぁ?また適当にごまかしてるんじゃないの?」と言われ続けるわけで、そのストレスは放送を行う所属タレントに降りかかるわけです。
実際、年明けから目に見える形で何度も躓き続けてきているので、ここは一度足を止め、タレントだけでなく、自社内の体制すべてを見直して、刷新すべきものは刷新し、改めるべき場所は改め、守るべきは守ることをしないと、何も変わらないし、何も信じてもらえないと思います。

特に、これまで企業、個人問わず、数多のVtuberがやらかしにやらかしを重ねてきた「歪み」が、このホロライブの一件で、Vtuber界隈自体を失速させかねない状況を生む可能性があることを考慮したほうが良いように思えます。
権利系って、こと日本においては最大のタブーであったり、利権団体と呼ばれる権利ヤクザが横行しているので、一度火が付けば面倒なことにしかならないので、よくよくどう対処すべきか、どうユーザー側に信用させていくかは、短絡的ではなく、長期的に熟慮して決定すべきかと思います。
世界に出るともっと面倒になることもあるので。



で。ホロライブの方には言いたいことは言ったので、叩いている人たちにも、個人的に思うことを書いておこうと思う。
私自身、ホロライブにはそれなりに期待はしていたので、年明けからの不正がとまらないホロライブに失望はしている。
偉そうな言い回しだったので、訂正すると「残念に思っている」。
これでもまだ上からか…?
もういいか…。

期待しすぎたゆえに、熱が入りすぎたゆえに、叩きに叩いて、改善を促すのはわからないでもない。
それが正しいかどうかは、私にはわからない。
正直、ホロライブブランド自体、ここに来てズタボロと言って良い状態になってしまっているので、何が悪くて、どうしてこうなったとも感じるわけですよ。
ただ、決めつけた物言いで以て、見えるものすべてを叩くのは違うと思う。
同時に今回の件を以て、自分たちのみが被害者だと捉えた叩き方は違うと思う。

「今まで見てきたものは全部無許可だったのかよ!最悪だ!」
「そもそもライバー自体、権利問題に当事者意識なさすぎ。自分でも確認すべき」

まぁまぁ、言いたいことはわかる。

個人的にはホロライブ社内がどういう意思決定のプロセスを踏んでいるかはわからないものの、幾人かの所属タレントは「放送内容は事前にマネージャーに伝えていて、基本的にはOKを貰った上でやっている。駄目な場合はNGと言われる」という発言をしているので、100%伝えていなかったにしても、所属タレント側は何をするのか、会社側に伝えていたと思われる。
ここで「OK」or「NG」を下しているのは会社側、とのことなので、権利も含めて総合的に判断するのは「タレント個人」ではなく「会社」であるので、タレント個人を攻撃するのは筋違いだと思う。

とはいえ、これは推論なので実際に行われているかどうか、独断で実施しているのかどうかまではわからない。
会社としては所属タレントの活動はすべてチェックできないにしても抽出は可能だろうし、収益化した内容のチェックはするはずである。
してないなら、とことん最悪な会社である。
このチェック機構が働いていない時点で、非は会社側にあると思われるので、この点からもタレント個人には非はないように思う。

ただ、会社に報告もせず、相談もせず、好き勝手に放送を行っていたのであれば、タレント個人側にも非はあろう。
年末に4期生が加わり、にじさんじほどではないにしろ、一つの箱としてはかなり巨大化した感はある。
つまるところ「マネジメント」が行き届かない隙間はできても不思議ではないし、タレント側も望むレスポンスが得られないとして、自己判断で動くこともあるだろうから、あくまでも推論の域を出ない。

あとは「当事者意識」だの「許諾は自分でも確認すべき」という意見が目立つものの、前述した「活動内容を会社側に通知している」ことを前提にした「報連相」のプロセスで「会社からGOサインが出た」という事象に対して疑いを向けることはまず無理だと思う。
実際に会社などで働いている方ならわかっていただけるだろうが、リーダーから下達された内容に対して、いちいち疑って、課長や部長に内容の是非を確認しに行くだろうか?
自社が他社とはこの契約内容で行くと言ったことに対して、契約を結んだ相手の会社に電話して、この契約内容であってますか?と聞くだろうか?

まぁ、ホロライブの社内がガタガタだったから、所属タレント側も信頼を置けていない状況にあったのだとしたら、運営と現場での乖離があったとは思うので、これも今まで見てきた中からの推論でしか無い。
かと言って、あたかも正しく見える意見が、実情に即して正しい提言かどうかは別問題だと思うので、一方的に、脊髄反射的に何もかもをぶっ叩くのは、一度考えてから実行すべきかと思う。
社内ストーカーが発生していて、野放しになっている時点で、クソみたいな社内だなとは思うけども。


そもそも、そこまでストレス溜めてみるのであれば、いっそ見なければいい。
そんなに烈火の如くキレ散らかすのは、あなたの健康にとっても良くはないので、長生きしたければコンテンツから離れるのが良い。
仮に楽しんでやっているのであれば、ぶっ叩くネタを探し回って、好き放題しているフェミニストと同じ行為にしか見えない。

それに、さんざん楽しませてもらうだけ楽しませてもらっておいて、一転、お前ら全員犯罪者だ!と断罪してぶっ叩くのはあまりに身勝手だとは思う。
どうせ、大半はスパチャを飛ばすわけでもなく、メンバーになるわけでもない連中が騒いでいるんだろうし、ストレスの捌け口を見つけてラッキーと思っているのなら、その熱量を別のものに向けるべきである。
本気で応援するのであれば、くだらない罵詈雑言のみを浴びせるのではなく、暴言の中に一つでもホロライブの為になるようなことを加えるのが良いと思う。

こんだけ書いておいて末尾に書くのもなんだかと思うが、これはあくまでも私個人の意見なのであしからず。
納得できない、そんな馬鹿なことあるかい、と思う人もいるだろうけども、その意見も個人の意見であって、それはそれで正しいとは思う。
故に言いたいことは言わせてほしいし、同調するのも反対するのも、個人の勝手である。

この機会なので、最後に所属タレントに言いたいことを一つだけ。
例えOKが出ていたとしても、そうして構わないと言われたとしても、自社を貶めるようなネタや発言は控えるべきだと思う。
あくまでもその看板を背負って活動しているのだから、社長を弄り倒すだの、指定暴力団ホロライブだの、面白可笑しくおもちゃにして良いものではないと思っている。
身内が自陣の御旗を踏み荒らすことは、周りから見れば、その御旗の価値を下げるようなものだと考える。
そんなに大事でないのであれば、そこにいる必要はないだろうとすら思うので、個人的にはそういった行為には賛同しかねる。


敬意も尊厳もない自由だけが横行した結果、運営も現場もガタガタの会社になったんだろうな。

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