魔王じゃないよ麻黄だよ

　麻黄の成分としてはエフェドリンが有名で、その薬理作用は交感神経の興奮や中枢神経の興奮を引き起こすことです。しかし生薬とすればエフェドリン以外の多くの物質を含有しており、その効能はかなり幅があります。また一緒に使われる他の生薬との組み合わせにより、どの効能が表に出るかも変わってきますから不思議だし、面白いですね。

　効能を羅列しますと、発汗、咳止め、去痰、寒気を抑える、痛みを取る、水バランスを良くするなどがあります。

　交感神経系を興奮させるという効果があるので、高血圧、虚血性心臓病、不眠症、前立腺肥大、不整脈などがある人は十分な注意が必要です。

　処方とすれば、葛根湯、小青竜湯、麻黄湯、麻杏甘石湯、越婢加朮湯、薏苡仁湯、防風通聖散　その他たくさんあります。服用する漢方薬に麻黄が入っているかどうか、普段から西洋薬を服用している人は気を付けてみておきましょう。