見出し画像

いますぐFIREしたい。ライドシェア解禁で稼げるのは一部地域のみ。


こんにちは。

4月からのライドシェア解禁。ドライバー就職イベントに参加して、報酬形態などを実際に聞いてきました。結論から言うと、まだまだ名ばかりで、厳しい内容です。


ライドシェアは今年4月、限定的に解禁予定とされています。いわゆる白タクの解禁です。現在は許可なくお客さんを車に乗せて料金を取ることは法律で禁止されています。ライドシェアは自家用車でお客さんを乗せて、料金を貰うことが出来るというもの。ただし、日本の場合、タクシー会社の下請けにならなくてはいけません。

タクシーとの一番の違いは、一種免許のままでいいという点。タクシー会社の車で仕事をする場合は、数日間の講習を受け、二種免許を取得する必要があります。

二種免許は正社員雇用です。京都のタクシー会社のほとんどは、講習中に日当が支払われ、免許取得費用も無料(タクシー会社持ち)です。ただし、会社によっては、免許取得から2年の契約締結が必要な会社もありました。

ライドシェアの一番の難点は、「中途半端な政策」だということに尽きると思います。

まず、京都では、以下が条件になります。

・金土日祝のみ
・夕方、朝方のみ
・エリア限定(八幡、宇治、伏見など)

しかも、4月スタート予定なのに、国の指針もまだ決まっていないとの事で、タクシー会社も身の振り方に悩んでいるようでした。

東京都心や田舎など、一部地域では完全解禁に近い条件下となるようですが、地方はこんなものです。報道で観るような、タクシーがつかまらない状況は雨の日くらい。タクシーは飽和状態なので、そもそものタクシー不足の課題自体がない。一部地域のタクシー不足を補うためのライドシェアですが、不足していない地域にも同じように導入しようとしたのだから、誰にとってもおいしくない結果になっています。

観光地の京都はバス利用者が大半。今回のイベントでも、半数はバス会社でした。

そんな中、一社だけライドシェアの報酬形態を決めている会社がありました。

・金土日のみ
・16〜22時
・時給 1,300円+3%(時給1,420円見込)

フーデリで稼いでいる人から見ると、あまり夢はないかもしれません。自分の頑張りが反映される部分が3%しかないので。曜日や時間も限定的なので、会社員の副業にはいいのかもしれませんね。

考えてみれば、当たり前です。仲介する会社が増えれば増えるほど、中間マージンが差し引かれ、ドライバーの報酬は減るのですから。アメリカはタクシー会社が間に入ることがありません。配車アプリの開発会社と個人の受発注。日本はそこにタクシー会社が入るものだから、経費として差し引かれる金額も多くなります。

タクシー不足問題とタクシー会社を守る名目で、ライドシェアはタクシー会社経由となりました。でも、配車アプリは黒船来航。今はタクシー会社を国が守ってくれているけれど、自社で配車アプリ開発をしないと、淘汰されていくのだろうと思います。

配車アプリは需要が高い地域、時間帯はリアルタイムで報酬が上がります。逆も然り。そもそもの解決策として、アプリ一つで事足りているのです。

これぞDX革命と言える事案なのに、保守的なのは日本人の気質でしょうか。スモールスタートで知ることから始めて、アプリ開発に着手し始めるのを待つのもいいのかもしれませんが、フードデリバリーの会社は既に基本的な機能を実装しているので、可能であればいつでも参入出来る状態。配車アプリが台頭しても、フーデリと同じでドライバーは個人事業主として配車アプリ会社から受注するだけなので、仕事が無くなるわけでもありません。何れにしても、行く行くは今の配車アプリの形態が、日本のタクシー業界の仕組みそのものに取って代わるのだろうと思います。

さて、配車アプリは、フードデリバリーのアプリとほとんど同じ仕様のようです。迎えに行く先に一番近いドライバーに通知され、6秒間で受けるか拒否するかを考えることが出来ます。

フーデリでよくある、長距離配達で田舎の方に行った際、帰りの仕事はあるのかどうかも聞いてみました。タクシーだと、県超えもあり得るので。

長距離の場合は、ある程度の割増料金を最初から加算される仕様になっているそうです。現在、帰り道に仕事依頼がなされるよう、「帰庫モード」なる機能を、タクシー配車アプリのGO側に要望を上げているとのこと。フーデリも、これは見習ってほしいですね。山手の方に行くと、お店がないので、帰ってくるまで発注がないんですよね。毎回、長距離依頼の時は往復のことを考えなければいけません。


正社員としては前記事でも書いている通り、働いた分だけ稼げる(残業で稼ぐ)世界です。そこは、フーデリとなんら変わり有りません。

違いで言うと、事故が起きた時の対応でしょうか。事故は大小問わず、8割のドライバーが経験しているそうです。タクシー会社によっては、全て弁護士が対応してくれるとの事。フーデリも、Uberは自社で保険を掛け、配達員が事故を起こした際の対応に充てています。なので、登録は自賠責保険のみでした。出前館は自社掛けではないので、登録には任意保険証が必須。各社違いがあります。

発注は、無線と配車アプリからが6割程度。残りの4割は流しの手上げ客。自分で探さなくてはいけません。とある会社の目標値は1日25組、35,000円でした。

バイクと違い、車なので経費も大きくなります。「ガソリン車ですか?」との質問に、「プロパン(LP)です」と言われ驚きました。それ、燃料なの??と。EVだと1日走り回ると、もたないそうです。長距離で行った先で充電となると、時間が消費されるのでEV導入には至っていないとの事でした。では、プロパンなら安いのか?と思うのですが、月77万円売上げたとして、税抜70万。諸経費を差し引くと、手取りは37万程度だそうで。
う〜ん。。厳しい。。と言うのが正直な感想ですね。社会保険はありますが、賞与なし。平均年収は350万。


タクシー会社はライドシェア解禁に戦々恐々としているようです。ライドシェアは事件が起きるから怖いと皆さん口を揃えて仰っていましたが、実際には単体で参入されては困る!というのが本音です。。

アメリカでUberTaxiに乗った体験記(前記事)もあるので、よかったらどうぞ。アプリは日本のクレジットカードも使えました。車種やナンバーが表示され、自分で後部座席のドアを開けて乗車します。さすがはアメリカで、ドライバーも自由気まま。乗っている間中、友達と電話で話していました。アプリに経路地図も表示されていたので、なんら心配することなく到着。英会話に困ることもありません。ライドシェアは、アメリカでは既に非常に便利なタクシーとして日常に溶け込んでいます。

配車アプリの行く先は、無人タクシーの配車です。何年先からわかりませんが、きっと私達が生きている間に無人タクシーが自宅まで迎えに来て、目的地まで連れて行ってくれることでしょう。

そう考えると、まだまだタクシー業界にとっては始めの一歩。これから、国がどこまで踏み込めるかがキーになることは間違いありません。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


2024年3月12日追記。
昨日の記事を見つけたので追記。

昨年11月に、配車依頼数に対して実際に配車できた配車率が、最も低い時間帯で12%だったと内閣府が報告との内容。

なぜ、ピンポイントの数字なのか。。。
この数字に意味があるとは思えないのですが。
京都の観光地の繁忙期が、紅葉の時期、11月。そこに雨でも降れば配車率が超低下するのは当たり前の話です。

実情を聞いてきた内容(上の記事)は、タクシーの飽和状態。数年前、需要が見込めず、京都市もタクシーの増車を控えるよう協力を求めていました。以下、PDF資料リンク。

私が言いたかったのは、ライドシェア自体に意味がないと言う事ではありません。人為的に決めた、土日祝、夕方から夜のみ。という枠に意味がないと言っているのです。

今日の記事にも書きましたが、フードデリバリーのアプリを使っていると、雨の日は需要が上がるのが、受注という体験を通してわかります。発注価格も上がるので、そういう日は気合いを入れて家を出ます。お金の匂いがする所に人は集まります。だから、アプリだけで十分なのです。

逆に閑散期は8月の夏休みだそうです。意外ではないですか?長期休み=観光地のタクシーは儲かる。と、単純に考えますが、実際は違うそうです。京都の夏は蒸し暑く、歩くには厳しい。尚且つ、学校が休みなので、修学旅行生がいない。

需要は一定ではなく、乱高下がかなり激しいわけです。その乱高下を調整してくれるのが、配車アプリ(料金設定)です。時間や曜日縛り、タクシー会社が時給で雇うと、この機能が全く活かされません。だから、中途半端だと書いたわけです。

アプリに任せる。

ライドシェアにはそれが必要だと思います。




※この記事はゲームには一切関係ありません。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?