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辞めたい習慣


小さい頃からよく口の中にものをいれる子だった。
アンパンマンのぬいぐるみから、ティッシュ、自分の親指に至るまで1歳の頃には常に口の中でなにかを咥えている子どもだったらしい。

さて、そんな私だからだろうか。
大人になった今でも続いている悪しき習慣が存在する。
無意識に手足の爪を噛んでしまうことと、眉毛や睫毛を抜いてしまうことである。
ここでタチが悪いのは、いずれの習慣も人前ではしないということ。自分一人の空間(トイレや自室など)でゴミ箱を膝にのせてガジガジと噛むのである。足の爪が気になったときには、バレエをしていた頃の体の柔らかさを利用して肩の上に足の裏を乗せて唇を動かす。
母親と暮らすようになってからは「みっともないから止めなさい」と言われることが増えたので、定期的にネイルサロンに通って人工爪を使った深爪矯正をするようになった。
それでも、3ヶ月も経たないうちに綺麗に彩られたジェルネイルは跡形もなく剝がれてしまう。我ながら、噛力が怖ろしい。
眉毛についてはアイサロンのお姉さんと仲良くなってから「眉毛の毛量めちゃくちゃ良いからそのままキープして!」と言われるようになって、なんとなく止まっている(その代わり人よりも毛量が多いまつ毛が被害に遭うのである)

さらに、齢30になってまたひとつ悪しき習慣に気づいてしまった。
仕事や、自分にとっての利害関係がある相手に対してオーバーリアクションをとりがちだと言うことだ。
例えば、うちの上司は海外を飛び回っている人なのでその度にお土産を職場に買ってきてくれる。正直に言うと私は偏食なので、海外の変わった食べ物や奇抜な色の小物が好きではないのだが、貰ったら必ず「可愛い〜!」と声高に言ってしまうのだ。
毎回思ってもいないのに「可愛い」と言うのは可愛いの安売りになるから辞めようと思っても、毎回目の前にプレゼントやお土産を差し出されると繰り返し唱えてしまう。
きっと、上司も私の反応の良さに気を良くしているのだろう。なぜか毎回お土産を手渡しする相手は他の職員が在室しており私が離席している場合でも、戻ってくるまで待って私に手渡されるのである。
こうなると、相手は「私の反応を待っているのではないか」「可愛い待ちなのではないか」と自意識過剰にも考えて、また思ってもいない「可愛い」を繰り返すのである。もはや、可愛いのカツアゲではないかと理不尽な憤りさえ覚える。

可愛いに変わる褒め言葉を、夏までに習得したい。



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