感想:こころ

こころ 夏目漱石


●感想(書評ではなく、ただ思ったこと)

高校の現代文の教科書に載っていて、一部だったけれ惹かれた記憶があって、ようやく買った文庫本。

「私」より「先生」の年齢に近くなり、先生の気持ちの方が分かる気がした。

そういえば、こころ、の後に読んだ「紅雲町シリーズ」では、つらい過去を持つ老婆が過去に縛られず前向きに生きている姿を見せてくれるが、先生は、過去に心を残したままKと同じ道をたどる様が、今思い返せば対照的だった。(それを意図して読んだわけではない)


面白かった。

なんて言うか、他人の心を覗き見ているようで、知的好奇心や、自分はまだましだ、と思いたいような気持ちが満たされて面白かったように思う。

うまく言えないけれど、どこが、何が、面白い、とは私には言えないのだ。


時代も性別も生まれも違うからなのか何なのか、単にわたしが無感性で無学だからなのか不明だが、「私」の気持ちも「先生」の気持ちも「K」の気持ちも何一つわからないし、同情もしないし、理解できない。

でも、その理解のできない中での彼らなりの理屈、論理が面白かった。


他人の気持ちは慮ることはできても、すべてを理解することはできない。でも、その人にはその人なりの理屈があって信念がある、ということを受け入れなくちゃいけないね。と言うを学べた。

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