クライアントの好みを聞くデザイナーは地雷?

こんなツイートを見かけました。

スレッドには「私は聞きます」というリプが並んでいて、正直すこしびっくりしました。

もしこれが見た目上の好みの話であれば、それを聞くことは地雷とまでは言いませんが、私はあまり役立つとは思いません。

なぜなら、デザイナーの役割は「クライアントの要望通りのデザインをすること」ではなく、「クライアントの目的を達成するデザインをすること」だと思うからです。

例えば、「俺個人のWEBサイトを俺好みで作ってくれ!!」という自己満OKな依頼であれば、クライアントの好みを聞きそれに沿ったデザインにすべきですが、そういう依頼はあまりないのではないかと思います。

わざわざお金をかけてデザインを依頼するんですから、「注文を増やしたいからWEBサイトを作りたい」とか、「お店に集客をしたいからチラシを作りたい」とか、そういう目的があるはずです。
クライアントはデザインが欲しくて依頼しているのではありません、その先の成果に結びつけるために依頼をしているのです。

ですから、極端に言えば、クライアントの要望通りでなくても、目的を達成するために最善のデザインと思えば提出すべきです。
(とはいえ、実際そこはクライアントの許容範囲と、デザインの目的を達成できるちょうど良いラインを探る必要があります。このあたりがデザイナーに求められるバランス感覚でありセンスです。)

また、好みでデザインをすることは危険性もあります。
好みは主観だからです
例えば、デザインを依頼してきた担当者に好みを聞いて、担当者の好みで作ったとしても、その上司は気にいるか?部長は?社長も同じデザインが好きなのか?
そんなわけないですよね。人それぞれ好きな色や好きなテイストが違うと思います。

好みは合わせる必要はありません。合わせる必要があるのは「目的」です。

実際、依頼してくる人も目的がよくわかってない場合はよくあります。
「上から作れって言われて…」「なんとなくサイトは作るものだと思ってるから…」などなど
普通の方はデザインのことをあまり知らないため、それは仕方がないです。デザイナーがきちんと導いであげましょう。

ヒアリングのは、ただ言われるがままに話を聞くだけでなく、こちらから提案もしながらクライアントの真の目的を探る大切な時間だと思っています。

冒頭の話に戻りますが、「どんなデザインが良いか?」「参考サイトはあるか?」と聞くことは悪くはないですが、見た目の好みの話にはならないようにしたいです。
それがどういう目的を持って「良い」とされているのか、クライアントと認識を合わせるために聞くのであれば良いと思います。

というわけで、クライアントに要望を聞くことは地雷ではありません。
が、言われるがままにデザインするのは避けたいですね、というお話でした!

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