誰も知らない(ノートルダム寺院で号泣)

知り合いが持っていたので、どうしても読みたくて佐藤愛子の「九十歳。何がめでたい」をそのまま貸してもらって読んだ。そしてYouTubeで時々やってみる聴力検査をして、あまり良くない耳だが悪くはなっていないという事を確認してから、佐藤さんのことを調べていたらお墓参りで突然肩を震わせて泣いたというような文章があって思い出した。

23歳位の時、ドイツスイスフランスをめぐるツアーみたいなのに母と参加して、その中でノートルダム寺院へ行った。当時、この寺院は外壁を治していて覆いが掛かっていたので、遠くから見ても凄いなーみたいな感じはなかった。へー、とい感じで軽く入り、おお!良い感じだねーというノリで進んた。

そして少し進んだ所に、礼拝に来た人が座るあの前の人の背もたれのところが聖書を置ける小さなスペースみたいになっているベンチシートみたいなのが幾つか並んでいて、そこにただ1人お婆さんだけが座っていた。周りは観光客でガヤガヤしている中、そのお婆さんは両手を組んで静かにうつむきお祈りをしていた。それを見た瞬間急な嗚咽。全然止められなかった。

アホな23歳だったので恥ずかしくてそこにはいられず、急いで外へ出て建物の横の小道に入り暫く泣いた。母はなかなかの薄情で知らない街でただ事でない状態になっている私を全然追っては来なかったので(放任主義ともいう)、お陰で存分に泣いた。その時、肩を震わせるってこの事かと知った。心の竜巻みたいな感じ。

きっとわたしの前世で熱心なクリスチャンがいたんじゃないかなと思ってる。その子が喜んだんだろう。前世孝行ってことで笑。

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