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Just married

婚姻届を書いたら、指輪をはめたら、名前が変わったら、生まれ変わったように人生は劇的に変化するのだと思っていました。

プロポーズの言葉は「結婚しようか、2月頃に」でした。
婚約指輪はありませんし、結婚指輪は「引っ越しが終わるまで待って」。代わりに、おそろいでもなんでもない安いステンレスの指輪を買ってもらいました。
結婚式は挙げません。新婚旅行もありません。
何なら夫は婚姻届を出して2日後に、長期の出張に行ってしまいました。


「婚姻届っているの?ペラ紙1枚書いてなんになるの?俺たちの関係はなにか変わるの?」
彼に言われた忘れられない言葉です。
私は婚姻届を書いたら何かが大きく変わるんだ、夫婦として認められるんだと信じていました。

でもなんだろう、婚姻届も出したし、内祝いの手配もしたし、安物だけど薬指には指輪がはまっている。
両親にも職場の方にも祝福をしていただきました。
あとは名前を変えて、彼が帰ってきたら引っ越しをして、そうしたらもう私は彼の奥さんとして生きていくのに。
なんにもかわらない。

彼の姓を名乗るのは慣れないし、彼のことを夫と呼ぶのはなんかまだキモチワルイし、指輪はお風呂にはいるときに邪魔です。
そのくせ、彼はとなりにいない。お仕事だから仕方ないけど。

びっくりするくらい、なんにもかわらなかった。
こんなにかわったのに、彼を想う気持ちも、家族を想う気持ちも、私の性格も、何も変わらなかった。

結婚したって生活は地続きなんだと知りました。
婚姻届はただのペラ紙じゃなかったかもしれないけど、私の人生を劇的に変える力はなかったみたいです。
しかし、いつもと変わらないはずの日々もなんとなくふわふわしていてなんだか変な気分です。

あした、名前を変えてしまったら何かがかわるのかな、やっぱりなんにもかわらないのかな。


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