新婚生活はまだ始まらないけれど
婚姻届が受理された日に、夫は長期の出張に行きました。
彼の話では、1ヶ月に1度くらいなら地元に帰れるかもしれないとのこと。
結婚早々、私達は離れ離れで過ごしています。
といっても、夫とは11年の付き合いなので、少々会えない日々を過ごしたこともありました。
例えば、大学時代。
私が地元を離れたため、当時彼氏だった夫は月に2度くらいのペースで私に会いに来てくれていました。
例えば、社会人になってから。
私は大学卒業後実家に戻りましたが、彼は建設会社に就職し、度々遠方に出張に行くこともありました。その時は毎週末帰ってきては顔を見せてくれました。
出張に行って私に会えなくなるのが嫌だと、転職して今の会社にいますが、仕事が忙しいらしく、そうも言っていられない様子です。
しかし、なんだかんだ2週間以上会えないのは久々で、ちょっと寂しいのも事実。
大学を卒業してから、私が会いたいと思った日には会えていたのが普通の感覚になっていましたが、会いたいときに会えるというのは恵まれていたのだと気付きました。
つらいときには隣に彼がいてくれるのも、ちょっと調子が悪いときは心配した彼が実家まで私の好きなゼリーを1個持ってぶっきらぼうに様子を見に来てくれるのも、ちょっと狭いし暑いな…と思いながら一緒のベッドで眠りにつけるのも、「寝てるときに膝を立てないでくれ」と文句を言われるのも、一緒にお風呂に入りたいから狭い浴槽の部屋には引っ越したくないと言われるのも、ぴんくのいちご大福を美味しそうに頬張っている横顔も、去年の秋には入ってたジーパンが入らなくなったのを見られるのも、全部特別なことなんじゃないかって。
結婚したらこんな毎日が今よりもっと当たり前になって、なんにも特別なことじゃなくなるんだなと思っていたのに、結婚してすぐ離れ離れになって、いつ一緒に住めるのかもわからなくて、当たり前にあった日常も当たり前じゃなくなって、ただただ彼の存在だけが私の中で大きくなっていきます。
付き合う前、「たまに赤味噌の味噌汁を食べると美味しいんだよ」と語っていた彼に「赤味噌のお味噌汁なんて食べたことないからいつか作ってよw」なんて冗談こいて、「いまどき料理が趣味な男の子は高評価だね、君の彼女になる人は幸せものだね」なんて付き合う気もないのに言ってたのに、その「幸せな彼女w」に自分がなってしまって、最初は顔しか好きじゃなくて、今だって顔は好きだけど、ロボットみたいに無表情だった彼が笑うようになって、その笑顔を可愛いと思うようになって、私が落ち込んだときに慌てて会いに来てくれたところが嬉しくて、でも彼がよく言うよくわかんないブラックジョークが大嫌いで、自分のことばっかり考えてるようにしか見えなかった彼が自己中にしか見えなくてちょっと嫌で、彼の本当の姿が見えて少しずつ好きになって、過去の自分の態度を反省したし、でも彼の嫌なところもあるからお互い様だよね、なんて考えたり。
でも結婚してみて、他にいい人がいるか考えてみても思いつかなくて、彼の愛情はちょっと曲がってたこともあったけど、いつも真正面から好きだと言ってくれてて、今、少しずつ彼は本音や弱音を私に言ってくれるようになりました。
仕事に行きたくないなんてほとんど言ったことのない彼氏でしたが、「仕事嫌だ」とLINEが来ます。
かわいいな、と思っています。
「幸せな彼女w」は「幸せなおくさん」になりました。
まだ新婚生活は始まりませんが、彼が帰ってきたときに「家は良いなぁ」と安心してゆっくり過ごせる環境づくりを頑張っていこうと思います。
彼が出張に行ってからというもの、彼の存在のありがたさと愛の大きさを痛感していて、思いを馳せては涙が止まりません。
早く帰ってこいコノヤロー。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?