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10年、薄皮を剥くように彼を知ってきたこと、まだわからないこと、愛しいこと

先日、11月13日に彼氏と交際10周年を迎えました。
本当はふたりが好きな洋菓子屋さんでケーキでも買ってお祝いしたかったのですが、13日は彼の体調が悪かったらしく(仕事中に事故で薬品が口に入ったとか……。後日談ですが)、14日は彼が友達とTRPGをしていたため、今のところ祝えずじまいです。

さて、10年も一緒にいると、お互いのクセや思考なんかはそれなりに分かってきます。
この顔をしているときは機嫌が悪いんだなとか、一見心無い言葉に聞こえても本当に伝えたいことは言葉の裏側にあるんだろうなとか。
お互い天の邪鬼なところがあるし、コミュニケーションもそんなに得意ではありません。
しかし、10年一緒にいたメリットとして、多少言葉がキツくても気持ちは通じるし、それが許される関係だとふたりとも知っています。許されてきた分、多少甘えがあるのは否めませんが……笑

10年一緒にいて、自分たちの家族以上にお互いのことを深く理解し、支え合える関係にはなれましたが、10年一緒にいたからといって相手のことが何でもわかるわけではないということを最近痛感しております。

彼は、もともと不必要に自我を出したり、誰でも彼でもに「本当の自分」を知られるのを好みません。
多分、まだまだ私にも「本当の自分」というのをすべては出してくれていないんだろうなと思っています。
だからか、10年も一緒にいて発見の日々を過ごしています。

例えば彼の交友関係。
昔はほぼTRPG関連の友人の話しか(しかもごくたまに、私が聞くと嫌そうに)聞いたことがありませんでしたが、最近は元ホストの友達がいるとか、友達の友達にこういうヤツがいるとか、仕事先で仲良くなった人がいるとか、たまに聞いたことのない名前が彼の口から飛び出してきたりもしてびっくりします。

彼の昔の夢の話も、先日初めて聞きました。

おとなになってから果物が苦手になった話も聞きました。

何重にもなったベールを一枚ずつ剥ぎ取っていくように、少しずつ彼が本当の姿を出してくれているのかと思うと愛しく感じます。


付き合った当初は人の気持ちも考えられず、ただただ不運で、笑顔もなく、暗く硬い印象でした。
正直、何だこいつと思っていたし、ロボットみたいだなとも思っていたし、血が通っている感じがせず、とてもギクシャクしていました。一緒にいて楽しくもなかったし。

今は、不運なのは変わりませんが、だいぶ私の気持ちに寄り添って接してくれるようになったし、キュートな笑顔でよく笑うし、可愛いわがままも言うし、人並みに拗ねるし、子どもみたいに甘えてきます。たまに病むところも人間味が出てきたなと抱きしめたくなります。
私はそれがすごく可愛いなと思うし、どこか守ってあげなくては……という気持ちにさせる部分が彼にはあるように思います。
魔性の女ならぬ、魔性の男なのかもしれません。

10年後、20年後、わたしたちはどうなっているのだろう。1年先の未来さえ私にはわからないけれど、惹きつけて離さないでと願ってしまうのはわがままでしょうか。

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