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犬、来る。

2019年8月1日。先代犬が空に旅立って4ヶ月がたとうとしていた夏の日に、1匹の犬が家族になった。

名前は小夏。幸せと書いてコウと迷ったが、女の子らしい名前がいいということで小夏になった。
夏の暑い日に来た小さい子だったから「小夏」だったが、ミニひまわりの品種と夏みかんの品種にも小夏があるらしい。
ちなみに、当の小夏は4月生まれらしい。細かいことは気にするな。

小夏を迎えた理由のひとつは、父のペットロスであった。
先代犬・ラッキーの最期は私、妹、父で看取ったのだが、ラッキーが居なくなってから父が目に見えて元気をなくしていった。普段無口な父がさらに無口になり、笑顔が減った。

ラッキーが亡くなって、父はひとりでペットショップを見て回っていた。
ラッキーを飼う時、当時小学生だった私と妹が必死に「ちゃんと散歩するから!」「ちゃんとご飯あげたりお世話するから!」と説得してもなかなか首を縦に振ってもらえなかったのに。(結局、私たち姉妹はラッキーと遊んでばかりでお散歩などのお世話は父がしてくれた)

しばらくして、父は妹を連れて保健所の子犬譲渡会に参加した。
ラッキーも保健所から引き取った犬だったので、次の子も保健所から引き取ろうと考えたらしい。
両親共に60歳を超えており犬の飼い主にはなれなかったため、妹が飼い主となって犬を迎えることになった。

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ケージに何匹か元気な子犬がいる中、小夏はすみっこで目も合わせずにじっとしていたらしい。
父が抱き上げると、四肢を強ばらせフリーズしていたとか。
妹曰く静かな子だったらしいが、保健所の職員さんが言うには慣れてくるとうるさくなるということだった。人見知りが激しいらしかった。

うちに来た日も落ち着かない様子できょときょとしていた。
少しの物音でも怖がって物陰に隠れようとする。
ラッキーが物怖じせず、穏やかでマイペースな性格だったから、性格の違いに驚いた。

おまけに、小夏は夜鳴きも酷かった。
人が居なくなるのが耐えられないのか、ケージを閉めて電気を消すと悲痛な声で泣き叫ぶ。
早々にケージで寝かすのを諦め、以来、小夏は両親と一緒に寝ている。

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1週間もすると家の環境にも慣れたのか、元気いっぱいに走り回るようになった。
子犬は寝るのが仕事じゃないのか?と不安になるほど、小夏は眠らずにひたすら遊び回っていた。

山積みにしてある座布団によじ登ったり、ボールを追いかけ回したり。
ラッキーはあまり活発に走り回っていた記憶が無いので圧倒された。

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掃除機やペットボトルやカンカンなど怖いものはたくさんあるが、ゴミ箱のティッシュを漁ってみたり靴下を強奪してみたりとイタズラを繰り返しながら、小夏はすくすくと育っていった。

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今も毎日1度は叱られるほどのおてんば娘だが、叱られる以上に「ラッキーにはしてあげられなかったことをしてあげたい」と家族全員が全力で愛を注いでいるので、自己肯定感つよつよアイドルに育ちました。

どういう所が自己肯定感つよつよなのかというと、家族が小夏以外を撫でたり褒めたりすると「なんで私を褒めないの!?」と言わんばかりに嫉妬で噛み付いてくるのだ。
じゃれついてくる力ではなく、わりとガチな感じで怒ってくる。

そして、1度「可愛いね〜」と撫でたりハグしたりすると、気が済むまで「もっと」とお手で撫でやハグを要求してくる。

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わがままプリンセスなのであった。

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そして気に入らなければこの顔である。

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表情豊かな小夏であった。

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