子育ては自身の後悔とコンプレックスとの戦いである
父親として8歳になる娘の子育てを励んでおり、子供と向き合う時間が多い方だと思う。
最近は子供と過ごしているときに、不意に自身のコンプレックスや過去の後悔に向き合うことがある。
僕は大変女々しいタイプの人間でコンプレックスも人より多く、そのくせプライドも高い大変面倒くさい人間なので、その回数が多い。
例えば、僕は算数や数学が得意な方ではなく、子供のときに真剣に取り組むことがなかった。そのことを大人になって大変後悔している。数学の深い知識があれば、もっと世の中の様々なことを理解できたなと思っているし、違う角度から物事を見る術を得たのではないかと思う。たまに、数学などに造形が深い人に羨望、嫉妬を覚えることがある。
僕は娘に大変甘いのに、このしょうもないコンプレックスや後悔が原因で、娘の算数に対する取り組みが厳しくなってしまうことがある。自分ができなかったことを娘に押し付けているのだから、娘だっていい迷惑だろう。厳しくした後は大変後悔する。
これはほんの一例だけど、僕は娘を通して過去から現在までのたくさんのコンプレックスや後悔と向き合うことになるんだろう。
子育てしている親には大まかに分けると何通りかタイプがあると思うけど、自身のコンプレックスを自分の子供にぶつけるタイプは結構いるんじゃないだろうか?
英語ができない親が子供に英語を勉強させたり、音楽やスポーツに対して未練のある人が、自身の到達できなかった理想を子供に託したり。
非常に極端なケースだけど、”学部9浪”の31歳娘が58歳の母親を殺害”という事件が昨年起こった。
母親は高卒で、学歴コンプレックスがあったようであり、娘にいくつもの教材を買い与えて勉強させ、将来は医学部に進学して医者になるように言い聞かせた。指導はかなり厳しかったそうだ。
https://www.47news.jp/5971120.html
https://gendai.media/articles/-/91993
この記事が事実だとすれば、母親は自身の抑えきれないコンプレックスに支配され、娘を自分がなることができなかった”理想の自分”にしようとしていたんだろう。
この母と娘は本当に本当に極端なケースであるけど、多かれ少なかれ親にとって子育てすることで、自身の後悔とコンプレックスとの戦わないといけないのである。
誰だって後悔やコンプレックスはある。大事なことは自分で自分の後悔やコンプレックスを理解しコントロールすること。子供と自身の人生を切り離すこと。それができないと、被害に合うのは子供である。
子供を育てることの喜びはたくさんあり、幸せなことでもある。
ただ、コンプレックスの強い人間にとって子育ては、自身の後悔やコンプレックスと向き合うことなんだろう。
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