DCGのプロシーンはなぜ盛り上がらないのか

大学5年間を犠牲にして取り組んだDCGが今年サービス終了すると聞いた。個人的には『うーん、やっぱり…?』という印象は拭えない。

リリース2、3年目あたりから開催されたプロリーグの配信は同接2000人程度になっており、企業がお金を積んでおきながら個人ストリーマーの配信レベルのポテンシャルしか出せないのも非常に致命的だなと思う。

今回は何百人と書いていそうな内容ではあるが、eスポーツの要となるプロリーグがなぜDCGだと盛り上がらないのか、2つの問題点があげられそうなので書いていこうと思う。

問題点1.
視聴者が直感的に理解しづらい内容になっている
カードゲームのプロシーンの面白さを理解するためには前提となる知識が必要になってくる。
具体的には流行りのデッキやカードを理解しておくことは大前提として、どういったマナの使い方が定石でどのような動きはプレイミスと判断されてしまうのかなどなど。

この知識がある上で試合を見るとデッキ選び、選択肢、運要素など細部に込められた面白さがようやく理解できてくる。だがどう考えても面白いという状態へ至るまでに視聴者側の払うコストが重すぎる。
登場人物と世界観が網羅されたファンブックを読破してからでないとまともに楽しむことができない周回御用達アニメみたいなコンテンツだ。

この点がFPSや格闘ゲームに比べてしまうと大きく劣っているし、プロシーンが盛り上がらない一因になっているのだろうなと思う。
またこのハードルを乗り超えたとしても画面上に動きがなさすぎて、恐ろしく地味な構図となってしまう点も致命的だと思う。

以上のことからプレイヤー人口はいても試合を見て盛り上がれる域まで到達できる人が少ないことがプロリーグの盛り上がらない原因かと思われる。

問題点2.絵面が良くない
TCG自体臭いオタク達の集まる所謂カドショがスタート地点になっており、そのオタク達の中でも突出したオタクがプロプレイヤーとして配信に映される。普通に考えてクラスの端っこでライトノベルを読んでいそうなオタクの必死な姿が配信に映ったとしても見栄えが良いわけが無いのだ。

そのためオタク達を画面に映すよりも人気のストリーマーを集めてカードゲーム大会をさせた方が競技シーンよりよっぽど盛り上がるし、同接も稼げてしまうだろう。オタクが悩んでいる姿と推しのストリーマーが悩んでいる姿を比べてみればどちらの絵面が良いかは一目瞭然である。

私自身も『とある魔術の禁書目録』を読みながら、ママに買ってもらったライトオンのパーカーを着込んでカドショに駆け込んでいたオタクだが推しのストリーマーの配信の方をよっぽと優先して視聴したいなと思ってしまう。

以上のことからDCGのプロリーグはおそらく今後も盛り上がらないだろうなと結論付けている。

■DCGのプロシーンを盛り上げていくためには
散々盛り上がらないと結論付けておきながら、逆にどうしたら盛り上がるのかも考えていこうと思う。

個人的にはセット販売しか無いんじゃないかなと考えている。具体的にはポケモンのようなファミリー層や女性など幅広く受け入れてもらっているコンテンツをDCG化して普及させていくような方法だ。

有名なコンテンツであれば内容はよく分からないけどポケモンが出ているから可愛い、絵面が良いからとりあえず見てみるみたいな新規ユーザー参入へのハードルをぐんと下がるので、盛り上げるための土壌づくりがとりあえずできるのだ。

マーケティングをする上でもまずは見てもらう、普及させることが肝心で、今のDCGに必要なことは複雑で実力が出やすいゲーム性の構築ではなく、有名コンテンツと抱き合わせでも良いからまず大衆に普及をさせることが最優先事項となる。
その後、普及させたコンテンツが実るかどうかは植物と一緒で水のあげ方や栄養の与え方、育て方次第だ。

私個人としては有名コンテンツとのセット販売によるDCGの流行によりプロがプロとして食っていけるようになると良いなと希望を持ちつつ話を締めようと思う。

■結果

色違いアルセウスが手に入る。


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